考察(妄想?)「ノーベル文学賞2022」
今日の夜8時以降に発表とのこと。
村上春樹さんのファンとしては、彼が受賞を望んでいないゆえ、騒ぐ必要を感じていません。
しかし書店員としてはスルーできない。受賞者によっては注文する必要が出てきます。
ただ厄介なのは、選考基準及びノミネートされている作家がまったくわからないこと。
読売新聞オンラインの記事によると「アルフレッド・ノーベルの遺言に基づき理想主義的傾向を持つ文学作品を顕彰してきた」らしいです。さらに「人気作家への評価が厳しい」という見解も付されています。
前者については何とも言えません。しかし後者に関しては、実際のところどうなのでしょうか?
けっこう人気作家も受賞しているような。。。
もちろん当時の状況はわかりません。でもヘッセやカミュ、スタインベック、ヘミングウェイ、川端康成……代表作を普通に新潮文庫で読める人の名前が目に付きます。
一方、2017年のカズオ・イシグロより後の受賞者の作品を私はひとつも知りません。ということは「人気作家への評価が厳しい」のは、単なるここ数年の流れに過ぎないのかもしれない。そもそも時代を超えて世界的な人気を誇るボブ・ディランが2016年に選ばれています。
ならば「ボブ・ディラン」「カズオ・イシグロ」という「我々でもわかる受賞者」が2年続いたことで保守的な反動勢力が危機感を覚え、傾向を変えたとは考えられないでしょうか? 「ノーベル文学賞ってこういうんじゃないんだよ!」みたいな。知りませんけど。
もし私の推測(妄想?)が正しければ、2022年はそれらに対抗する動きが起こる頃合いかもしれません。振り子の揺り戻しのように。
以上を踏まえ、今年の受賞者は「我々でもわかる」路線に戻ってくる気がします。トマス・ピンチョンかコーマック・マッカーシー辺り。
たぶん外れます。ご期待ください。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!