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「タウンページ」「○○」「青空文庫」

タウンページの発行と電話番号を案内するサービス「104番」が、2026年3月末で終了するそうです。

どちらも使ったことはありません。でも当たり前にずっと存在するものだと思っていました。

書店で働いていると「求人情報誌はどこ?」とたまに訊かれます。先日は具体例として「フロムエー」の名を出され、テンションが上がりました。かーかきんきん、かーきんきん。

いまはネットで検索できるし、大きめの駅やコンビニへ行けば「タウンワーク」などのフリーペーパーも手に入ります。つまり無料で情報を得られる。にもかかわらず、わざわざ本屋でお金を出して買おうとしてくれている。ありがたいことです。

あと以前にも書いた気がしますが「ぴあ」も一年に一回ぐらいの頻度でお問い合わせをいただきます。2011年に休刊になったエンターテインメント情報誌。10年以上経っているのにすごくないですか?

もしいまあえて「ぴあ」を1号限りで復刊したらどうなるだろう? もちろん表紙はあのイラストで。

かなり話題になりそう。売り切れる予感しかしない。少なくとも私は買います。情報自体はネットでも得られるかもしれない。それでも。

考えてみたら、夏目漱石や太宰治、芥川龍之介の作品も「青空文庫」で読める。にもかかわらず、多くの人が書店で紙の本を買ってくれます。特に若いお客さんが「坊っちゃん」や「人間失格」を購入してくれるのはとても嬉しい。ありがとうございます。

たぶんそこには「お金を払ってでも紙の本で読みたい」「紙の本を手元に残しておきたい」という気持ちにさせる何かがある。論理や合理性だけでは解き明かせぬ何かが。

栄養摂取だけが食事の目的ではない。長く続いてきた「タウンページ」にも、私たちがまだ気づいていない何かがあるのかもしれません。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!