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「連載再開」と「○○○○」

約3年11か月ぶりの連載再開です。

ただ売れるペースはいつも通り。私の職場だけでしょうか。

でもよくよく考えたらすごいこと。ひとりの作家、ひとつの作品に頼らず、「週刊少年ジャンプ」のトータルな面白さで毎週買うことをファンの生活習慣にしている。そして連載作品は随時入れ替わっているのにお客さんは入れ替わらない。

実際「ジャンプ」は、どこの本屋で働いていても売り上げが見込めます。性別や年齢にかかわりなく、多くの人が待ってくれている。こんな雑誌は他にありません。

村上春樹さんの「職業としての小説家」に出てきた、読者からの手紙のエピソードを思い出しました。

こう書かれていたそうです。「新しく出た村上さんの新刊を読んでがっかりしました。残念ながら私はこの本があまり好きではありません。しかし次の本は絶対買います。がんばってください」

春樹さんはこの人に感謝しています。僭越ながら私も同意見。なぜなら一度好きではないと感じたにもかかわらず、次も買うと約束してくれたから。ちょっとやそっとでは揺るがぬ「期待と信頼」が伝わってくるから。

「ジャンプ」を買い続けている人にも「最近つまらない」という時期は訪れたでしょう。応援していた作品が終わって熱の冷めたタイミングもあったはず。それでも離れなかったのはなぜか?

思い当たる節があります。

暗黒時代といわれ、ガラガラだった頃の新日本プロレスの会場へよく足を運びました。会社の体制さえ変われば。若い選手が伸びてくれば。そんな期待を込めて。

最終的に見限らない理由を、世間が「ブランド」と呼ぶ何かに見出すのは大雑把な結論ではないでしょう。他とは違うという絶対的な差。冨樫さんの作品にもそれがある。だからこそ、どんなに休載が長引いてもファンは待ったわけです(もちろん「ブランド」に甘えていたら話は変わってきますが)。

来月出るコミックス37巻を楽しみにしています。

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