「先頭打者ホームラン」と「非正規書店員の時給」
「何でホームラン打つんや」
結果論に支配されない考え方、勉強になります。
岡田監督としては、森下選手に一発狙いの大振りをしてほしくない。ボール球に手を出さず、しっかり見極めて塁に出ることを求めている。だからこそ1番に置いたのでしょう。
この先頭打者ホームランで連敗をストップできたのだから、並みの監督なら「森下に救われました!」と絶賛するところ。でも岡田さんはその時の勝利と同時にその後の展開も見据えている。いまが良ければいいではなく、若手の育成をいま勝てないことの言い訳にもしない。
一方で、彼は森下選手のこういう意外性というか、チームが苦境の時こそ力を発揮する特性を見抜いている気もします。リリーフ陣が打たれて勝ちを逸する後味の悪い試合が続くなか、彼を先頭打者に選んだのは「コイツなら何とかしてくれる」という期待の表れだったはず。
苦しい状況でどうにかしてくれるプレイヤーがいると、本当に助かります。
私の職場にもそういう同僚がいます。店長とか正社員ではありません。彼ら彼女らが頼りにならないという意味ではなく、連中はプロ野球でいうところの監督やコーチ陣なので。
頼りになるのはベテランの非正規雇用です。そういう役職があるわけじゃないけど「キャプテン」というか、要は最前線のまとめ役。全体を見渡すことができ、自分の仕事をしながら他の細かい変化にも気づける。
多くの大型書店では、こういう従業員も新人と同じ賃金で働いています(くまざわ書店は習熟度に応じたランクアップ制があるけど、たしか交通費が出ない)。他の業界の事情は知りませんが、素人同然の駆け出しと欠かせぬ重鎮が同じ時給というのは健全ではない。こなしている仕事の質も量も明らかに違いますから。
森下選手を見習い、私もいざという時にお店を救える一発を放てるように(かつ大振りにならぬように)精進します。
作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!