見出し画像

書店員最大の敵は「○○の○○」

「くれぐれも腰には注意してください」

かつて某書店で契約社員になる面接を受けた際、人事の方から言われました。脳裏に焼き付いています。

あれから十数年。「魔女の一撃」が何度か仕事中に襲ってきました。いわば最大の敵です。

何が厄介って、外からは何が起きたのかわからないこと。本人は痛みがひどくて文字通り一歩も動けない。でも仕入れ室に入ってきたバイトの学生からは「何してんすか?」「もしかしてサボってる?」みたいな目で見られてしまう。

これがベテランの非正規や社員の人だと「腰?」「私も先日やっちゃいました」という話になります。長く本屋で働いていれば、誰しも味わうこと。プロレスラー・武藤敬司選手がインタビューで「身体のどこにも痛みを抱えていないレスラーは楽をしてたんだよ」と話していたのを思い出します。極論とはいえ、ちょっと頷ける。

重いものを抱えて急に立ち上がるのも危ないけど、屈んだ体勢で腰を不用意に伸ばす方がトリガーになり易い。ただこれは人によるでしょうし、そもそも経験していなければ注意を払えません。

現場の書店員は典型的な立ち仕事。見た目とは裏腹の肉体労働です。腰が痛いから座ってできる業務だけお願いします、なんて要望はまず通りません(管理職的な正社員ならまだしも)。実際、なかなか回復しなくて辞めた同僚が何人かいます。

「屈むのではなくしゃがむように」と指導されました。要は脚を使えと。ゆえにカウンターの下からブックカバーやレジ袋を取る際は、なるべく腰を曲げないように心掛けています。

海野選手、お大事に。焦らずしっかり治してください。7月下旬から「G1クライマックス」が始まりますが、将来のある選手ゆえ無理はしてほしくない。そして書店員の皆さま、お互い気をつけましょうね。

作家として面白い本や文章を書くことでお返し致します。大切に使わせていただきます。感謝!!!