イチ書店員が「閉店時間を過ぎても帰らないお客さん」に思うこと
いまは早番が中心ですが、前の職場はほぼ遅番でした(誰もやる人がいなかったから)。全体のキャリアだと、だいたい半分ずつかもしれない。
閉店時間になると「蛍の光」を流す職場もあったし、アルバイトが「まもなく閉店します」と言いながら店内を歩いて回るところもありました。
大抵のお客さんはすぐに会計をしてくれます。しかし何度声を掛けても↑で紹介されているように「ちょっと見るだけ」と言って帰ってくれない人がたまにいました。あとは「うん」「わかった」と返すだけで動かない人とか。
必ず閉店間際に現れ、しかも大量に注文をし、さらに前払いを希望する常連さんもいました(要は商業施設が配っている期間限定の割引クーポンを使いたいだけ)。他の時間に来られなかったのかもしれない。でもあれには参りました。
向こうからしたら「少しぐらい残業してもいいでしょ? その分稼がせてあげるんだから」という感覚かもしれない。悪い人ではなかったけど言葉の端々から垣間見えました。
でもねえ、そういうことじゃないんですよ。
以前読んだ飲食店に纏わる本を思い出しました。
うろ覚えですが、予約時間に来店せず、ラストオーダーの時刻を過ぎてから来た常連さんの集団のためにパスタを作った。なのに帰り際に「遅い時間にこんなに稼げてラッキーだね」みたいなことを言われたとか。ありがとうでもごめんなさいでもなく。
「なんか飲食店を下に見るお客さんっているんだよな」というシェフの一言にひどく共感したのを覚えています。たぶん書店も一緒ですよと。
要は「あなたが我々の立場で、同じシチュエーションでその言葉を言われたらどう思いますか?」という視点。他人がどうこうの前にまず己。忘れたくないです。
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