
「紅白歌合戦」のおかげで出会えた名曲
紅白歌合戦。
いつしか見なくなりました。かつては毎年楽しんでいたのに。
子どもの頃は家族でテレビの前に陣取っていました。最初はいつも元気でしたが、ラストまで見通した記憶はないです。どうしても後半に寝落ちしてしまう。演歌のよさとかわからなかったし。
ただ1991年に槇原敬之さんが「どんなときも。」で初出場を果たした時は、まあまあ遅い時間でしたが(ウィキペディアによると28人中22人目)シンセサイザーを弾きながら歌う姿を目に焼き付けました。好きな曲です。
91年の槇原さんといえば↓も忘れられません。
「去年のクリスマスはケーキを売ってたけど 今年の僕にはコワイモノは何もない!」という詞がまぶしい。これが若さというものか。
やさぐれた中年の非正規書店員です。「去年のクリスマスも書籍を売ってたけど、今年の僕にも冬のボーナスなどはない!」なんて替え唄が頭に浮かびました。スイマセン。
2007年の紅白で歌った↓も名曲です。
特に響いたのは以下のパート。
「よかった この世界はサイテーだと誤解したままで 今日一日が終わらずにすんだよ 君といたからだ」
俺が作家になれないのはおかしい。こんな世界はサイテーだ。客や社員からゴチャゴチャ言われる書店員なんて、ただの生活の糧。さっさとデビューして辞めてやる。
当時の偽らざる心境です。でも録画した「GREEN DAYS」を何度も聴くなかでだんだん気づきました。本当にサイテーなのは、勝手な理屈ですべてを他人のせいにする己自身だと。
本来の趣旨とは異なる解釈かもしれない。ただ少なくとも私の目にはかすかな光が映ったのです。
いまは自分も世界もサイテーとは思いません。「現状をよりよい方向へ動かすために何ができるか?」を考えます。槇原さんの、そして紅白歌合戦のおかげでしょう。
こういう名曲と出会えるなら、また見たいです。
いいなと思ったら応援しよう!
