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ハードボイルド書店員の好きな「クリスマスソング」及びその理由

年末が近づいてきました。

職場の児童書売り場でクリスマスソングのCDが流れています。竹内まりやさんのあの曲の題をずっと「クリスマスが今年もやってくる」だと勘違いしていたのはここだけの話。正しくは「すてきなホリデイ」です。

You Tubeにクリス・ハートさんの歌うバージョンがありました。涙腺がゆるみます。ぜひ。

ただクリスマスソングといえば、私のなかでは↓でしょうか。

ドリカムの「WINTER SONG」です。

胸に染みるのは”The greatest gift I ever had was you"という部分。聴くたびに、三浦建太郎「ベルセルク」に出てくるゴドーという老人が頭に浮かびます。

腕はいいけど口の悪い偏屈な鍛冶屋。でも主人公ガッツに武器や防具を提供し、メンテナンスまでおこなってくれる。根は優しい人です。

娘さんがひとりいます。名前はエリカ。実の子ではなく、偶然出会った戦災孤児を気まぐれで育ててしまったとのこと。

死の間際、ゴドーは後継者であるリッケルトへ娘についてこう語ります。

「生まれてこの方鉄のことしか知らねえオレをずいぶんとまあ人間らしくしてくれたよ」

「ベルセルク」17巻 白泉社 三浦建太郎 200P

一芸にすべてを捧げた孤高の職人。おそらく後悔はなく、だからこそ支えてくれた存在に魂が救われたことを認めている。その上で「けどな、やっぱり死ぬ時はひとり前のめりってのがいい」と続ける。

天から与えられ、かつ己が選び取った使命にひとりで打ち込む。同時にひとりじゃなかったことに感謝もする。

上手く言葉にできませんが、男女問わずこういう人に惹かれます。群れないけど無暗に強がることもしない。受け入れた弱さを前を向く力へ変換できる。そんな人間になりたい。

皆さまの推しのクリスマスソングは何ですか?

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