「雑誌が売れない」とは言うけれど
私の働く書店でも、雑誌の返品はかなり多いです。
ただマクロとしてはそうでも、ミクロに個々の状況を見ると、早々と完売して追加が間に合わず、売り逃しているケースも少なくない。
たとえばNHKの語学テキスト。英語系はたくさん入りますが、諸外国語のものは4月号がピークで夏には数冊。雑誌担当だった頃は早めにFAXで注文していました。
取次に頼んで初回入荷数を増やすこともできます。しかし売れ残って返品するとすぐ戻りがち。加えて考慮すべきはバックナンバーをどれぐらい併売するか。私は各一冊ずつでも年度が替わるまでは全テキストを一年分置きたい派です。
需要はあります。夏休みに思い立ち、4月号を探しに来る人がまあまあいるので。でも十分なスペースがなければできないし、こまめに棚をチェックして補充しないと意味がない。人手不足の現状でそれだけの時間を取れるかといったら。
あとお店ごとに「他ではそれほどでもないけど、ここではよく動く」ものがあります。かつての職場では相撲関連の雑誌がそうでした。見出して入れる数を増やす。いまは、そういう作業もあまりできていない気がします。
某大型店でキャリアをスタートさせた頃、雑誌部門は三人体制でした。正社員ひとりと私を含む非正規雇用がふたり。各々が担当するジャンルの管理をするわけです。理想的でした。せめてふたりはいないと対応が難しい。直雑誌の取り寄せや付録及び表紙の異なるバージョンが何種類も出る女性誌の予約など。
トラブル防止を優先すればことごとく客注不可となり、売り逃してしまう。やむを得ないとはいえもったいないし、お客さんに申し訳ない。
現在の職場はプロ野球でたとえると、内野と外野をひとりが兼ねている状況。当然仕事が雑になり、エラーも増える。ひとつのポジションに専念できるお店で働きたいなあ、と思わなくもない今日この頃です。