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4.6は「他人とは違う個性」への第一歩

「言葉では伝わらないものが、たしかにある。だけど、それは言葉を使いつくした人だけが言えることだ」
「言葉をだいじに使いなさい、ユリアン。そうすれば、ただ沈黙しているより、多くのことをより正確に伝えられる」

↑は創元SF文庫「銀河英雄伝説9 回天篇」の一節です。

プロレスは非日常のエンターテインメントゆえ、常識的なコメントばかりでは面白くない。時には大袈裟というか、過剰な言い回しも必要でしょう。しかし海野翔太選手の「最終兵器投入」発言はさすがに。。。

普通に考えたら「最終兵器」とは、これまで姿を見せなかった「最後の切り札」を意味します。でもいざふたを開けてみると、来るのは長年の兄貴分であるジョン・モクスリー。

直後のアメリカ大会で内藤哲也選手との対戦が決まっているゆえ、彼の参戦は予想できました。過去に何度か来日し、海野選手とも組んでいます。

「最終兵器」なんて強い言葉を使わなければ「モクスリーを日本で見られて嬉しい!」となったのに、期待を上げた分だけ現実との落差で拍子抜けしました。

このままだと「不良のカッコいい先輩に憧れる優等生」みたいなイメージになりかねない。学生時代の自分がまさにそうでした。ムリに悪ぶって汚い言葉を使ったり服装を真似したり。

「プロレスラーのキャラクターは、最終的には”自分自身”で落ち着く」といわれています。レスラーに限らず、でしょう。カッコ悪いと感じる己でも受け入れ、どうにか折り合いを付けていく姿勢こそ、喉から手が出るほど欲した「他人とは違う個性」への第一歩かもしれない。

海野選手はいずれプロレス界を背負って立つ存在。だからこそ私はこの試合で彼が敗れ、モクスリーから「もう俺に頼るな!」と突き放され、独り立ちへ向かうことを願っています。

4.6両国大会、要注目です。

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