![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/36675370/rectangle_large_type_2_558f7a50b966b599c0e93b140ffc49e4.png?width=1200)
「自分だけの武器」を見つけるきっかけに
おはようございます!!! 書評行きます!!!
「采配」 2011年出版 ダイヤモンド社 落合博満著 304P
(以下は読書メーターのアカウント https://bookmeter.com/users/49241 に書いたレビューです)
勝てない時は負けない努力をする。予習よりも復習が大事。体技心。まさに名言の宝庫だ。冷静なロジックの中に下積みの経験(ちょっとあぶさんに似ている)と這い上がった矜持に裏打ちされた情がちらつき、時折矛盾も見られる。でも実はそこが肝かもしれない。完全実力&成果主義のAIみたいな監督ではどんなに有能でも選手がついていかない。長年しんどい立場で頑張った岩瀬や、目立たぬスーパーサブでいい仕事を続けた英智と岩崎への配慮が素晴らしい。そして最終章。確かに幸せってそういうもの。仕事の成果だけに囚われず人生を采配していく。
>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>>
本書を開くのは三度目。仕事における立場が変わるたびに読み返すことをオススメしたい一冊です。毎回違ったヒントが得られるはず。私の場合、今回はレギュラーではないけど守り勝つ野球に欠かせない「スーパーサブ」である英智選手、岩崎選手を絶賛している章が印象に残りました。
近頃は「平均的に何でもこなすタイプ」は好ましくないという風潮があります。「AIに代替される」「個性がないと生き残れない」と。落合さんもそれは認めつつ、でも「平均的な選手の方が最初は使いやすい」とも言っています。だから何でもそつなくこなせるようになりつつ、徐々に「これに関してはアイツがいないと困る」という一芸=自分だけの武器を身に着ければいいと。確かに現場目線で考えると、あれは得意だけどこれは全く駄目というのでは使い勝手が悪いですよね。得手不得手は誰にでもありますが、どの仕事に関しても最低限のライン=基礎の部分、は確保していないと任せられない。と同時に、そのラインに達して「ひととおりこなせる」レベルで止まっていると、都合のいい「便利屋」で終わってしまう。
私は普段人文書&ビジネス書の担当をしているのですが、先日出社したら「今日は雑誌を出してくれる?」と言われました。「え?」と戸惑いましたが、過去に雑誌担当をやっていたのでどうにかこなすことができました。ジャンルのはっきりしているものは誰でも迷わずに出せますが、中には曖昧なものもあり、担当者の好みによって場所が変わってきます。どうしてもわからないときは「自分がお客さんならここだと思う」「前の職場ではここだった」という経験と知識をフル活用しました。
おかげで「品出しの速さ」と「どの棚の担当になってもそつなくこなせる」が自分の売りだと確かめることができました(苦手なのはコミックぐらいですが、どこの店も書店員はコミック好きの宝庫なので問題ありません)。今回の読書によって、その事実をより深く胸に刻み込んだ次第です。
落合さん、DeNAの次期監督候補という噂がありますね。監督やコーチはOBの再就職先という側面が強い阪神ではまず考えられない人事です(それも古き良き日本企業の論語的な優しさではありますが)。正直歯がゆいですけどぜひ見てみたい。でもやっぱり阪神に来てほしいなあ。。。矢野さんが駄目ということではないんですけど。
いいなと思ったら応援しよう!
![Y2K☮](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/35284192/profile_2f8f7231836dcbb4381456f74897acfd.png?width=600&crop=1:1,smart)