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はやみねかおるの「めんどくさがりなきみのための文章教室」を読んで

昨日「星の王子さま」について書いたのだけれど,実は,はやみねかおるさんの「めんどくさがりなきみのための 文章教室」を読んでから書いたものになる.

私は昔から文章を書くのが苦手で,中でも読書感想文を書くのが大の苦手であった.どのように文章を広げていいかが分からなかったのである.そのため,あらすじを長めに書いて,ほぼ「面白かった」か「分からなかった」で締めていた気がする.でもこの本を読んで,そのように膨らませればいいのかと,今になってやっと理解に至った.

本書は読書感想文に限らず,普通の作文や手紙,小説の書き方も例も分かりやすくレクチャーしてくれている.一つの本にここまで広く書いてくれることはなかなかないので,大変有り難い.
でもこの本の一番の良いところは文章を書くマインドを鍛えられることではないだろうか.

正直なところ種類別の文章の書き方なんてものは,世に様々な本や文章として出ている.(分かりやすい分かりにくいはとりあえず置いといて)
でもそもそも文章が上手くない人は,まず文章を書こうという考えにならない.何故ならないか.こんな文章を表に出したら注意される,笑われるという考えに陥っているからだ.

幼稚園のころまでは文字を書くだけでも褒められた.でも小学校に入ってから,きちんとした文章を書くことが求められ始める.技術のステップアップという意味では必要なんだけれど,”伝えたい”という思いよりも,”上手く書かなければ”という思いが先行してしまうのである.そうした結果書くこと自体がどんどん怖くなるのである.

でも,はやみねさん...猫のダナイは,
「うまくなくても,読みやすければいい」と言ってくれているのだ.

そして文章を書けるようになるまで,第1章と第2章では「200字日記が書けるようになれればいい」から「五感を使う」や「文章は基本を守るところから」など,徐々にステップアップできるような構成になっている.読むだけでも良いのはもちろん,すぐに実践したくなるような内容になっている.

第3章では小説を書くための章になっている.小説書いてみるのもいいななんて思うけれど,それに関係なく,小説家もといはやみねさんの頭の中を覗けているようでのは少しワクワクする.最後に小説を書くためのテンプレートがついているのも,親切で嬉しい.

また形式も説明文的ではなく,主人公の健と猫のダナイの会話を中心に進められていくのでリズムよく読み進められる.はやみねさんの小説を読んで育った人にはたまらないし,読んでいなくても沼の入り口まで誘われることだろう.そして間に間にちょこっと挟まれる小ネタに心くすぐられる.

あまり文章書くのが得意じゃない子も,得意な子も,
そして大人も楽しめる1冊なので,是非手に取っていただきたい.

読んだあかつきには,はやみね先生の他の本も気になると思うので私のオススメシリーズをリンクに貼っておく.


【追記】
あとがきにて,はやみね先生の息子さんが社会人や大学生になったことを知った.私が小学1年生ごろ読み始めて,もう20年経つのだから,そのくらいの年齢にもなるのか.勝手に叔母か何かになった気分で沁沁してしまった.

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