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Vol.3 : 本屋の未来を救えるのは子供達かもしれない
先月、大阪市内の本屋を営業中に、いくつかの店舗で『宮沢賢治の著書のPOP』を見た。
立ち止まって見てしまう程の謳い文句で、「読んでみたい」と思えるPOPばかりだった。
そこでふと疑問に思った。
“なぜいま、宮沢賢治を推しているのだろうか”
仲の良い店員に理由を聞いてみて、驚いた。
全て“小学生6年生が書いた”のだという。
しかも、書いたPOPを自分達で本屋に出向き、置いてもらうよう交渉したのだという。
僕が、見ているだけでも手にとって買って行った人が3人いた。
とても素晴らしい取り組みをしていると感じ、調べてみた。
大阪教育大学附属天王寺小学校6年生が制作したものだ。
このプロジェクトの良いところは、本が好きな子供が増える可能性があるということ。
実際に読んで、本の良さを“言葉”で伝えることで、本の大切さを学ぶことができるのではないだろうか。
また、これ期に本を読むことが好きになったり、未来の著者になる子供が増えるかもしれない。
そして、何より“本屋が好きになる”子供が増えるのではないだろうか。
当然、POPを作った子供達は、自分のPOPを見せたいという思いから、家族に紹介し、一緒にその本屋に行くと思う。
それで、褒められた子供はさらに『本』と『本屋』が好きになる。
『自分の書いたPOPで本が売れている』となれば、それが成功体験となり、頑張った自分を好きになれるのではないだろうか。
もちろん本屋にとってもメリットはたくさんある。
忙しい中、POPを書く時間などとることなどできないが、作ってもらえるのであれば願ったり叶ったりだ。
それに、今までは並べるだけの仕事だったのが、子供達のためにも“売ろう”という気持ちになるかもしれない。
つまり、本屋の現状打破、未来を救えるのは子供達ではないだろうか。
こうした取り組みが全国の学校や本屋で広がれば、業界の未来は明るくなるに違いない。
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