「グゥ~」 夕方、お腹が鳴った。その日、私は朝から原稿を書いていて、午後1時ごろ、休憩も兼ねてお昼ごはんを食べた。 それにもかかわらず、私のお腹が鳴ったのである。さっき、ちゃんと食べたのに。 自分のお腹が鳴ったせいで、自分が空腹であることに気づかされた。すると、もうダメだ。夕食のことしか考えられない。 冷蔵庫に、豚肉があったなぁ。 あ、スーパーで半額になっていたもやし、買ったのに使ってない。 たしか、冷凍庫には切って冷凍したピーマンがあったはず。 ……ということ
久しぶりに、風邪をひいた。 前回、風邪をひいたのはいつだっただろうと思い返してみたら、コロナ禍の前だった。ということは、私が風邪をひいたのは約5年ぶりということになる。 最初に「あれ?なんかおかしいな……」と思ったのは、鼻水が止まらなくなったことだった。私は、少し鼻炎気味で、季節の変わり目などにはくしゃみが止まらなくなることがある。だから、このときの鼻水も「鼻炎のせいかな?」くらいに思っていた。 ところが、である。1~2日後に、体中の筋肉が痛くなった。 「これはヤバい
久しぶりに、カレーをつくった。 じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、豚肉、カレールーを用意して、まず、材料を切る。 私の場合、最初に玉ねぎを切って、おろしにんにく(チューブ入り)とオリーブオイルとともに鍋に入れ、弱火で炒めながら、他の材料を切る。そうすると、ちょうど玉ねぎがいい感じになった頃に、じゃがいもやにんじんを入れることができるからだ。 あ、ちなみに、じゃがいもやにんじんを入れる前に、豚肉も炒める。 玉ねぎと豚肉がいい感じに炒めてあるところに、食べやすく切ったじゃがい
日傘さし 真夏の公園来てみれば 暑さ忘れて ひまわりを撮る ある夏の日、東京・立川市の昭和記念公園にあるひまわり畑で撮った1枚です。 この日の立川市の最高気温は、35℃。 昭和記念公園の立川ゲートからこのひまわり畑まで、徒歩で20分以上。 それを知らず、日傘をさし、汗だくになって目的地を目指しました。 途中で「こんなに遠いなら、来るんじゃなかった……」と思いましたが、 数万本のひまわりが咲き誇る光景を目にしたとき、 暑さを忘れて、夢中で写真を撮りました。
7月が終わる。 今月は、いいこともあったが、ものすごくイヤなこともあった。 イヤなことを文字にすると、再び思い出してしまうので、 そのイヤなことをいかにして克服(というのか?)したかを書いておこう。 そのことは、仕事にも生活にも影響する、私にとってはかなり重要なことで、 ショックのあまり、そのときやらなければならなかった仕事に、手がつけられなかった。 ひとりでいると、そのことばかり考えてしまうから、あえてなじみのバルなどへ行って、気をそらせてみたりもした。 だが、ムダだった
洋服でも靴でも帽子でも、お店で見て「ステキ!」と思ったら、買ってしまうことがある(ただし、値段がそれほど高くない場合に限る)。 そして、家に帰って、改めて身につけてみると、実はそれほど似合っていなかったりする。似合っていないというか、手持ちの洋服などと合うものがなく、結局、買った日以外に身につけるタイミングを失って、タンスの肥やしになる。 そうやって買ってしまう理由は「ひとめぼれ」なのである。 ひとめぼれというのは、後先を考えない。 お店で見て「ステキ!」と思っても「
念願の木製トレイを買った。 木製トレイ、もしくはおぼん。白木の板にワクのついた、正方形のトレイである。 「念願の」というのには、理由がある。実はここ数年、探していたのである。ひとり暮らしの私にぴったりのトレイを。 探し始めたきっかけは、SNSだった。 私は食いしん坊なので、料理人の方や料理ライターの方のSNSをフォローして、彼らの投稿を拝見している。「おいしそうだなぁ」と眺めるだけのときもあるし、メニューや盛り付けを参考にすることもある。 んで、食いしん坊な私は、自
駅のホームに降り立つと、お出汁の香りがする。 新幹線の名古屋駅である。 だから私は、名古屋に出張があると、その日の朝食を抜く。もしくは、東京駅で駅弁を買わずに新幹線に乗る。 あの、駅のホームにあるきしめんを食べるためである。 名古屋への出張は、たいてい日帰りである。駅のホームで、立ち食いのきしめんを食べてから、改札を抜け、仕事を済ませて、再び駅に来る。そして、帰りの新幹線に乗る。それだけだ。 たまに、早く仕事が終わることがあると、駅ビルにある居酒屋に入って、手羽先や
今年の私は「考えすぎない」を意識している。 考えすぎずに、動く。動いてみると、次にやることが見つかる。 先日の寒い朝、朝ごはんの用意をするのがおっくうだった。けれども、ハラは減っている。どうしようかと思って、とりあえず、キッチンへ行った。 ガスコンロの上に、お鍋がひとつ。フタをしたまま、置いてあった。 「これ、なんだったっけ?」と思いながら、フタを開けると、前の晩に自分でつくった煮物の残りであった。 あ、そうか。昨晩、自分でつくった煮物をつまみに、焼酎のお湯割りを飲
今夜は冷えるから、お鍋にしよう。 でも、その前に、お風呂であったまりたい。お風呂であったまってから、アツアツの鍋をつつき、冷たい日本酒を飲みたい。 それを叶えるには、どうするか。食いしん坊の私は、考える。 わが家の冷蔵庫にある材料は、スーパーの特売日に買った白菜と、家飲みのときにおつまみにしようと思っていたベーコンである。それ以外にもあるにはあるのだが、どれもお鍋の材料にはふさわしくない。 ベーコンだって、本来はお鍋の材料ではないかもしれない。しかし、その日の私は、い
私はめったに泣かない。でも、その日は涙が止まらなかった。 知り合いが急逝したことを知った。 その人は、とある酒場の店主で、おもしろいことが大好きな人だった。自分の店でユニークなイベントを開いては、人と人をつなぐのが好きだった。 私は年に数回しかお邪魔したことがなく、店主のことはそれほど深く知ってはいなかった。 けれども、涙が止まらなかった。 人って、こんなにもあっけなく、死んじゃうものなんだなぁ、と思った。 そう思ってからは、いても立ってもいられなかった。 会い
ある日のお昼どきのことである。 その日も原稿を書いていて、締め切りが近かった。外食する気にもなれないし、そんな時間もない。家にあるもので済ませようと、冷蔵庫を開けた。 見事に、なにもなかった。 正確には、お昼ごはんになりそうなものが、なにもなかった。冷蔵庫に入っていたのは、お酒のアテと炭酸水。それと、調味料がいくつか。 仕方がないと、ため息をつきながら、今度は冷蔵庫のとなりの食糧庫をのぞいた。常温で保存できる食べ物を入れてある棚である。 ここにもやはり、酒のアテにな
久しぶりに高尾山に登ろう、と思った。 高尾山の山頂へ行くには、ケーブルカーに乗り、舗装された道を歩いて、短時間でラクに行ける方法もある。 恋人や家族と、クラスメイトや友人たちと、 「え~、キツイ~!まだ歩くの~」 などと言いつつ、おしゃべりしながら、写真を撮りながら、楽しそうに山頂を目指す人たちもたくさんいる。 けれども私は、ケーブルカーにも乗らず、舗装されてもいない登山道を選んだ。その方が「山に登っている」という感じがして好きだからだ。ひとりで黙々と、でこぼこの山
今回は珍しく(?)私の仕事の話をします。 ビジネス雑誌の取材などをしているので、全国あちこちへ行くため、飛行機に乗ることもあります。 飛行機に乗って目的地へ着いた後、間もなくすると航空会社からメールが届くんです。 「今回のフライトはいかがでしたか?お客さまアンケートにお答えください」 たいていはどのフライトも快適なので、アンケートに「よかったです!」と答えようと思うのですが、アンケートフォームを開いてみると、記述式だったりします。 その時点で、私はそっとアンケートフ
「ぷは~っ!」 居酒屋のカウンターで最初の1杯を飲みながら、私はふと、思った。 忙しくしている方が、いろいろはかどるなぁ。 コロナ禍でそれを忘れていたのかもしれない。 コロナ禍では先が見えなかったし、仕事が減って時間があり余っていたから、それほど急ぐ必要はなかったように思う。コロナ禍の3年間で、急がないというクセがついてしまったのかもしれない。 コロナ禍から元へ戻っていなかったのは、私の方だったのかもしれない。 だから、仕事も戻って来なかったんじゃないか? 3か
その選択は「仕方なく」だった。 仕方なく選択したことで、早起きが苦手な私が週に何度か、午前5時30分発の電車に乗ることになった。 向かう場所は、早朝のアルバイト先。ホテルの朝食会場である。 私の本業はフリーライター。年齢は52歳。ついでに言うと独身女性である。 仕事の中心は対面でインタビュー取材をして原稿を書くこと。なので、コロナ禍では仕事が激減した。人に直接会うことが制限されたからである。 おまけにコロナ禍の真っ最中にメインの取引先だった出版社が倒産したので、私は