![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/127703366/rectangle_large_type_2_45115905bd6e0f7d4e3c0c76d01cee69.jpeg?width=1200)
残りものうどん
今年の私は「考えすぎない」を意識している。
考えすぎずに、動く。動いてみると、次にやることが見つかる。
先日の寒い朝、朝ごはんの用意をするのがおっくうだった。けれども、ハラは減っている。どうしようかと思って、とりあえず、キッチンへ行った。
ガスコンロの上に、お鍋がひとつ。フタをしたまま、置いてあった。
「これ、なんだったっけ?」と思いながら、フタを開けると、前の晩に自分でつくった煮物の残りであった。
あ、そうか。昨晩、自分でつくった煮物をつまみに、焼酎のお湯割りを飲んだ。ほろ酔いになって、片づけるのがめんどくさくなり、そのままにしておいたのだった。
うん、それなら、この煮物を食べればいいんじゃないか。
そう思ったものの、煮物だけではもの足りない。冷蔵庫を開けてみると、幸いなことに、賞味期限切れ間近のうどんが一食分、残っていた。
おお、こんなところに、うどんが。それは、完全に私の記憶から消えていたうどんであった。
さらに冷蔵庫には、10個入りの卵パックに卵が2個、鎮座していた。それも取り出した。ガスコンロの火をつけ、鍋に入っている煮物の残りにお湯を加え、うどんを袋から取り出して投入した。
卵はうどんがあったまってから入れよう、と思ったが、それもめんどくさくなって、あったまる前に入れた。
そのまま鍋にフタをして、弱火にする。うどんがあったまる間に、着替えをして、身支度を整える。
部屋着から外出用の服に着替えると、気分がかわる。
外出着になってキッチンへ戻り、鍋のフタを取って、うどんの様子を見た。できあがってはいたけれど、卵の白身がかたまりすぎている。
見た目はイマイチだな、と思った。
煮物の残りという具材とともに、うどんをどんぶりに盛り付ける。
「いただきます」
何も考えずに、残りものだけでつくったうどん。おっくうだったけれど、とりあえずつくったうどん。アツアツをすすりながら、これはこれでおいしいじゃないか、と思った。でも、もっとちゃんとつくれば、もっとおいしそうにできたな、とも思った。
次なる課題は、見た目もおいしそうなうどんをつくることである。できれば、何も考えずに。