マガジンのカバー画像

スベっる心理学(前編)

28
やることなすこと“スベる”男を心理学で救えるか?
運営しているクリエイター

2021年2月の記事一覧

スベっる心理学1〜察せない男子編〜(長編小説)

「……さっ、坂本くん、なっ、なにをしとるんだ!?」 平社員である坂本元気(サカモト・ゲン…

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学2〜察せない男子編〜(長編小説)

「坂本くん、いったいどういうつもりなんだ。キミは自分のしたことが分かっているのかね?」 …

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学3〜察せない男子編〜(長編小説)

吉沢洋平は、元気の一つ年下の二十七歳である。 背が高く、短距離走の選手のような立派な筋肉…

須賀正俊
3年前
2

スベっる心理学4〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

土曜日まであと五分、元気と洋平は電話で明日の打ち合わせをしていた。 「それでだ。メインの…

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学5〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「いただきま~す」 「待てって、外に出てからだって」 「えっ? 恥ずかしいですよ」 「吉…

須賀正俊
3年前
2

スベっる心理学6〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「オレ達から馬に会いに行くんじゃないぞ。馬の方がオレ達を求めて、こちらに向かっているんだ…

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学7〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「……最高だったぜ子ブタちゃん。ありがとな。吉沢、食べ終わったか?」 「食べ終わりました」 「そんなら、ぼちぼち行きますか」 「行きますか」 二人が席を立ち上がると、まだ食事中の女性達は、「ありがとうございました」とお礼を言い、頭を下げた。 それに対して洋平は、「いえいえこちらこそ、ごゆっくりどうぞ」と、言葉こそ紳士的ではあったが、終始うつむいたまま一度も相手に目を合わせることはなかった。 まるで、思春期のシャイな男子中学生のような不自然さである。 元気のほうは

スベっる心理学8〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「おい、気がついてるかって?」 「気がついてるかって、どうかしたんですか?」 「あの観覧…

須賀正俊
3年前
3

スベっる心理学9〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

洋平は、兄貴分であり親友でもある男の心の内を感じたのか、“どうかしたんですか”とはきかず…

須賀正俊
3年前
3

スベっる心理学10〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「……そうですよ! これも何かの縁だと思います。せっかくですし、連絡先の交換をしていただ…

須賀正俊
3年前
2

スベっる心理学11〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「ごめんなさい! 謝りますから離れて下さい!」 洋平は、ソフビ人形がいきなり張り付いてき…

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学12〜出逢いは偶然に、隠し扉を開いたかの如く編〜(長編小説)

「ごめんなさい! 桜井詩織さんが気になっているだろうなっていうのは気が付いていました」 …

須賀正俊
3年前
2

スベっる心理学13〜やってしまった“バナナ男”編〜(長編小説)

約束の日、待ち合わせの時間の十五分前には、洋平、詩織、麻衣の三人は現地に到着していた。 …

須賀正俊
3年前
1

スベっる心理学14〜やってしまった“バナナ男”編〜(長編小説)

すると、詩織と麻衣も笑顔になり、緊張感のあった場の雰囲気は一気に和んだ。 元気が三人の居る場所に戻ると、さっそく店内へと入った。 まず最初に四人の目に入ったのは、出入口のすぐそばに置いてある定番中の定番、“エアホッケー”である。 「あ、ダブルス用じゃないですか。みんなでやりましょうよ?」 洋平が言った。 「いや、止めたほうがいいって。仲間内で争ってもどちらかが傷つくだけだって。しかも、出入口のすぐそばで人通りが多いだろ。負けたほうトラウマになるって」 元気は、即決