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九段下パルチザン / ビブリオテーク・ド・キノコ・マガジン

九段下の図書室・ビブリオテーク・ド・キノコを主催するふたりが発行する書籍と読書・蔵書に関するマガジンです。購読後1ヶ月無料で読むことができます。 新しく入庫された本や、最近読んだ…
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#人生

波の調べ | 2024-01-15

波の調べ | 2024-01-15

社会復帰5日目です。RSSリーダーのソースを調整していると、多くのブログが死滅していることに驚きます。既にWeb2.0の時代はとうに過ぎ去り、いまは生成AIを使ったコンテンツが全盛になっているようです。コンテンツというか、中身があるような無いようなものなのでコンテンツと言っていいのかも分かりませんが、まあそういった疑似情報のようなものが世の中に溢れるようになっているということです。世の中の真理につ

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BiblioTALK de KINOKO vol.039のお知らせ|2023-11-26

BiblioTALK de KINOKO vol.039のお知らせ|2023-11-26

この告知は、うでパスタが書く。

いつもいつも忙しさを言い訳にしていろんなことを先送りにしている私だが、そういう人間が決して大成しないことにはいまもむかしもたくさんの人が言及している。「別にいいよ、大成なんかしなくても」と嘯く私自身のブドウももうだいぶん酸っぱくなってきた。実際問題、隣のブドウよりこっちのが酸いのではないかという現実から目をそらすのもそろそろ難しくなってきている。

「運と才能と習

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労働|2023-06-05

労働|2023-06-05

今回は、うでパスタが書きます。

ボストンへ住まうために西早稲田のマンションを引き払ってから、おそらく九年がまもなく経とうとしています。
ボストンに暮らしたのは四年半で、ちょうどそのまんなかあたりで当時の会社の経営からは身を引くことを決めたわけですので、考えてみればそれから六年、その後もちょっとは自分で仕事らしいことをしたのを勘定にいれても、もう五年は「何もしないをしている(doing nothi

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BiblioTALK de KINOKO vol.025のお知らせ|2022-09-26

BiblioTALK de KINOKO vol.025のお知らせ|2022-09-26

この告知は、うでパスタが書きます。

このところ、具体的にはおそらく家を買おうと動きはじめて厳しい現実を叩き込まれてから、いわゆる「中年の危機」というものに苛まれています。
これは身も蓋もないことを言ってしまうと、「もうすでに自分の人生はピークアウトしてしまい、これから先には誇れることも達成できることもないのではないか」と察して著しく覇気や鋭気を削がれてしまった状態のことです。やはり人間には希望が

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つぶやき|2022-09-25

つぶやき|2022-09-25

今日は、うでパスタが書きます。

“tweet”はもともと「つぶやき」ではなく「さえずり」を意味するわけですが、つぶやきが相手のいない発語である一方さえずりは(人間が何と言おうと)あくまでも鳥たちの会話や少なくとも呼びかけであって相手がいてなんぼなのですから、「ツイッターとは」と考えたときにこのニュアンスの違いは割と大きい問題だったのではないかと過去を振り返って思います。

日本でのツイッターの流

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shift | 2022-09-15

shift | 2022-09-15

9月ももう半ばになりました。相変わらず日中は30℃近かったりと残暑も厳しいものの、オフィスの中にいると気が付きませんが、外は夏の終わりと秋の始まりが混じり合っているような塩梅なのでしょうか。先日は中秋の名月ということで月が綺麗ですね、という言葉が飛び交っていました。インターネット・ミームに汚染されているせいで、文字通りに月がきれいだということを受け止められずに、色々な解釈や大喜利に転換してしまうと

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自由になるのは大変なのだ | weekly

自由になるのは大変なのだ | weekly

「海辺にお城を建てたので遊びに来てください」
18年ぶりに来た友人からの手紙にはそう書いてあった。
ドローンで撮影したと思しき絵葉書の写真は、確かにお城と言われても納得の行く建物で、まさかそれが個人の別荘だとは周囲の住人も思わなかっただろう。昔から節操のない人間ではあると思ってはいたが、やりたいと思ったことは実現するというバイタリティもあったということで、それは評価すべきところなのではないかと思う

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不労所得が欲しいの

不労所得が欲しいの

不労所得が欲しいの。
彼女はそう言うとかわいいラテアートを小さなスプーンでかき混ぜながら、少し居住まいを正してから店内を見回し小声になった。実はいい話があって、今の仕事を辞めずに収入が増やせそうなの。とぼくの目をじっと見据えて、何かいたずらが見つかった時、相手の反応を伺うような表情でぼくの言葉が出てくるのを待っているようだった。ぼくはちょうど彼女のすすめで印鑑を作り終え、試し押しをしたくてウズウズ

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