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九段下パルチザン / ビブリオテーク・ド・キノコ・マガジン

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2020年5月の記事一覧

ゲット・マイルド・アンド・タフ|weekly

ゲット・マイルド・アンド・タフ|weekly

今週は、うでパスタが書く。

世界がパンデミック状況に覆われてから、よく夢をみている。
多くのひとと同様、私にとっても現実に「夢」は失われたが、寝ているあいだには夢をみるのだから皮肉だ。これを愉快だととらえるか、残酷だと受け止めるかは感じ方ひとつにすぎない。しかし正直にいって、この感じ方というやつが人生の幸不幸を分ける、ぐらいのところまで我々は追い込まれてきている。気付いていなければここで教えるが

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BiblioTALK de KINOKO定期購読者限定ライブ配信のお知らせ

BiblioTALK de KINOKO定期購読者限定ライブ配信のお知らせ

2020年6月5日更新: こちらの配信は終了しました。皆さんのご参加ありがとうございました。

ソーシャル・ディスタンシングあるいは「新しい生活様式」、みなさんにもうメドは立っただろうか。
やることはともかく、「ソーシャル」ディスタンシングという言葉自体はちょっとよく分からないなというひとも多いと思うが、この場合「ソーシャル」はおそらく「社会的な戦略としての」という意味で、「社会的に(社交上の)距

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home | weekly

home | weekly

「山手線の外側のことはよく分からない。彼女はしばしばそう言う。それは港区なんとかがいうようなマウンティングを意図したものなどではなく、本当に行ったことがないので分からない、という実感を伴う発言だった。新宿より向こう側の中央線沿線は夕方のニュースで見る商店街などがあるエリアで、東京都と言われても何区なのか瞬時には分からない。学校は千代田区で、住んでいるのは文京区、親の仕事は千代田区か中央区、遠くても

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白い旗/二段ベッドの下|weekly

白い旗/二段ベッドの下|weekly

今週は、うでパスタが書く。

僕自身はゼロから起業したという経験がない。
だがそれでも起業というのはおそらく多くのひとにとって、僕が思うよりも縁遠いことなのだろう。大手企業で働くかつての同級生たちと酒を飲んでいても、独立起業のことになるといきなり話が噛み合わなくなることがある。起業というのがおしなべて、株式の公開を目指す壮大なレースに参加することだとみんなが思い込んでいるような節もある。

とはい

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fortune telling | weekly

fortune telling | weekly

「大通りの雑踏から2本裏に入った路地の奥にその占い師のお店はあった。
占い師のいる場所をお店と言っていいのか分からないけれども、商売で占いをしているのだし、商売をする場所はお店なので、お店でいいだろう。そもそも入り口には象徴的な星と月の描かれたプレートがあるだけで、なにより店名を知らない。占い師は柊と名乗っていた。まあ実名ではないだろうし占いという職業が実名により何か付加価値をもたらすわけでもない

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四月の死産と、もっと多くの死。|weekly

四月の死産と、もっと多くの死。|weekly

今週は、うでパスタが書く。

四月は死産だった。生まれたときには死んでいた。
D.O.A = Dead On Arrival(到着時死亡)だった。
「三連休で花見に出たひとが多く、感染爆発の危険が高まった」と言われる三月のその三連休にのこのこと温泉へ出かけていた私は、それを言われるたびにショックを受けて三月末から自発的にアンネ・フランクを始め、これで五週間になんなんとしている。

もともと外出する

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