名馬の来歴 ~ばけん君のケイバ予想

劇作家で馬主でもあった寺山修司氏の「競馬は12編の推理小説である」との言葉に激しく共感して競馬に傾倒。本や雑誌を読み、競馬中継を録画してはレースを観戦、研究してきたが、”競馬に勝って、馬券で負ける”日々は終わらない。目下のところ、予想屋稼業でせっせと稼ぎ、馬主になるのが目標!

名馬の来歴 ~ばけん君のケイバ予想

劇作家で馬主でもあった寺山修司氏の「競馬は12編の推理小説である」との言葉に激しく共感して競馬に傾倒。本や雑誌を読み、競馬中継を録画してはレースを観戦、研究してきたが、”競馬に勝って、馬券で負ける”日々は終わらない。目下のところ、予想屋稼業でせっせと稼ぎ、馬主になるのが目標!

最近の記事

不運「こんなダービー、まったく記憶にない」 スキルヴィング ~幻のダービー馬

「幻のダービー馬」なる言い回しがある。ダービーに勝てるだけの力がありながら、展開や不利に泣かされ惜しくも勝ちを逃した馬、ケガなどで大一番を回避せざるを得なかった馬、はたまたレース中の故障や落馬で完走すらできなかった馬などだ。 昔から「10人の競馬ファンがいれば、10頭のダービー馬がいる」と言われていることを考え合わせれば、「幻のダービー馬」を探せばキリがないといっていいくらいだ。 「大外でもいい。賞金もいらない…」出走資格さえなかったマルゼンスキー そんな「幻のダービー馬

    • 2013年生まれの強豪たち ~ハイレベルの代償

        当然のことながら、競走馬における世代間の強弱にはバラつきがある。強い世代、弱い世代といわれるように、世代によってレベルに差が出てしまうのだ。強い世代の代表格といえば、スペシャルウィーク(日本ダービー、天皇賞春・秋など)、エルコンドルパサー(NHKマイルカップ、ジャパンカップなど)、グラスワンダー(朝日杯3歳ステークス、有馬記念連覇など)らの1995年の生まれだろう。昭和の昔で言えば、トウショウボーイ、テンポイント、グリーングラスのTTGで名高い1973年生まれが有名だ。

      • TTGが魅せた!「日本競馬史上最高の名勝負」と言われる有馬記念

         有馬記念史上最高の名勝負といわれているのは、遠い昭和の昔のことになる。テンポイントとトウショウボーイが壮絶な死闘を繰り広げた昭和52(1977)年のことだ。  このレースは単なる一騎討ちではない。スタートでポンとハナを切ったトウショウボーイを、すぐさまテンポイントが馬体を併せて交わすと、再びトウショウボーイが抜き返し、さらにテンポイントが前に出るといった、互いにハナを主張しあう前代未聞のマッチレースとなったのである。まさに意地と意地のぶつかり合いで、他馬などまるで眼中にない

        • 「脚が壊れるかも……」天皇賞馬・キョウエイプロミスが魅せた日本馬の底力

           忘れられないジャパンカップがある。欧州の馬たちに、まったく歯が立たなかった時代のことである。  1983年。この年はシンザン以来19年ぶりに誕生したクラシック3冠馬、ミスターシービーの出現に沸いていた。新しい時代の予感である。当然のように、外国馬の参戦を迎え撃つ日本馬の代表として、ジャパンカップへの参戦が期待されていたものの、休養に入ってしまった。押し出されるように“代表格”となったのは、7歳馬(馬齢は旧表記:数え年)ながら、天皇賞・秋で初のビッグタイトルを奪取したばかりの

          あれから18年…… 外国馬“最後”の雄姿 アルカセットの意地

            ジャパンカップは、「日本の競馬を世界レベルに引き上げたい」という意図から創設されたレースである。1981年に行われた第1回は、アメリカのメアジードーツが勝ち、続く2、3回もハーファイスト、スタネーラと外国馬が制している。  ただ、第3回は天皇賞(秋)馬キョウエイプロミスが2着に食い込み、第4回目にしてカツラギエースが逃げ切り、日本馬による初の栄冠となった。  発足当時は「所詮、日本の馬なんて外国の馬にはかなわない」といった雰囲気だったが、2023年を迎えた今、ジャパンカッ

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          最初で最後のGI制覇 “名牝”リンデンリリーと“若手の一番星”岡潤一郎騎手が輝いた瞬間

           メジロラモーヌ、ウオッカ、アパパネ、ジェンティルドンナ、アーモンドアイ……。「名牝」と呼ばれる、多くのGIレースを制した女傑は少なくない。牝馬同士のレースはもちろん、牡馬をも蹴散らした。  今回の主人公、「リンデンリリー」はGI1勝。1991年のエリザベス女王杯に勝ち、そのレースを最後に引退した。そんな彼女を“名牝”と呼ぶことは、もしかしたら相応しくないのかもしれない。しかし、筆者の記憶に強烈に刻まれている、まごうことなき”名牝“で、騎乗した21歳(当時)の岡潤一郎騎手は”

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          天皇賞・秋はこの馬のために…… “快速馬“? ミスターシービーの爆脚

           「ミスターシービー」といえば、1983年に皐月賞、日本ダービー、菊花賞を制し、1964年のシンザン以来19年振り、史上3頭目のクラシック3冠を達成。翌84年には天皇賞-秋にも優勝して4冠馬となったことで知られる。  父は「天馬」と呼ばれたトウショウボーイ。母は重賞3勝、快速でならした名牝シービークインで、端正な容貌の超良血馬だ。  21頭立てのダービーでスタート出遅れ  ミスターシービーの人気は、主戦の吉永正人騎手の存在もあった。デビュー戦からその背にまたがり、1985

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          「番狂わせ」とは言わせない! 菊花賞馬スリーロールス 激走のワケ?

          「伝説の新馬戦」なるものがある。のちにチャンピオン級になる複数の馬たちが、偶然にも同じレースで対決していた新馬戦にほかならない。古い昭和の時代では、後にTTGとして語り継がれた3頭のうち、トウショウボーイとグリーングラスが同じ新馬戦でデビューしていたという話はあまりにも有名である。しかもそのレースには重賞3勝を挙げた名牝シービークインも参戦しており、後にそのシービークインにトウショウボーイが交配され、3冠馬ミスターシービーが生まれたというおまけまでついた。  2000年代以降

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          コスパ最強列伝! 価格“ゼロ円”の名スプリンター、サクラバクシンオー

           “億越え”の値段をつける馬が珍しくなくなった昨今だが、安い馬がチャンピオン級にのぼり詰める「下剋上」は、競馬ファンにとって痛快な出来事といえるだろう。古い話になるが、日本馬として初めてGIジャパンカップを制したカツラギエースなどは710万円の安馬であった。    ライバル対決で話題になったテイエムオペラオーとメイショウドトウは、1050万円に500万円とずいぶん格安だし、2冠馬メイショウサムソンは1000万円の大台を切る700万円。GI 6勝のモーリスも1050万円に過ぎず

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          宝塚記念を予想する

          春のドリームレース「宝塚記念」といえば、関西テレビの名物アナウンサーだった、杉本清さんを抜きに語れない。数々の名言を残し、ケイバの実況中継なら、おそらく右に出る者はいないであろう。そう思っている。 「今年もあなたの、そしてわたしの夢が走ります」の名セリフを、往年の競馬ファンは忘れることができない。そんな杉本さんが「わたしの夢」と語ったのが「サイレンススズカ」だった。 「あなたの夢は…」杉本節さく裂の宝塚記念    「悲運の名馬」と称される彼がGIレースを勝ったのは、宝塚記

          ダービーを予想する

          こんにちは! 珍宝堂井鶴斎(ちんぽうどう いかくさい)です。栄えある日本ダービーの”思ひ出馬券”の原稿を書けるなんて、うれしいです。((´∀`*)) 競馬歴30年のフリーライター。三流大学を卒業後、一度も正業に就くことなく、競馬とともにダラダラとした人生を送る自他ともに認めるロクデナシ。叩けば埃の出る身であるため、人目につくことを嫌い、さまざまなペンネームで原稿を書き散らして何とか糊口をしのいでいます。 1960年代生まれ、東北出身。 これからも、たびたび登場させていただきた

          自己紹介/ばけん君のケイバ予想

          ばけん君のケイバ予想 ケイバは記憶のスポーツです。記憶を整理して紐解き、”予想”の精度を高めていくことが、当たる馬券への近道? になるかもしれません。((´∀`*)) はじめまして!ボク、ばけん君。競馬歴だけはなが~い、ケイバ好き。大好きな馬や忘れられないレースを肴に、ああでもない、こうでもないとダベり、未来の名馬をさがす……。そんな時間がこのうえなく好き。 名馬の来歴 ~記憶が導く当たる馬券術~ケイバの魅力は主人公である「馬」の存在にあります。 青々とした芝のコースを

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