あかいの。

口先だけの冒険家。

あかいの。

口先だけの冒険家。

最近の記事

そのぬくもりに用がある。

応答するな!応答するな!応答するな! 今年は自宅療養中Netflixのドラマ三体にどハマっていた。寝食も忘れてというがまさにやめどきその一切を失うほど。暫くして原作にもすっかりどハマりし、沼の二毛作といった様相を呈していた。 ドラマ版を先に触れて良かった、とあらためて思う。原作は元々中国の物語として構成されていて、登場人物も大半は中国籍。 それが実はネックであった。アジアでもお堅い印象の中国人。キャラがどうしても地味にみえる。正直壮大なストーリーに対して薄い。くわえて名

    • 光のロックについて。

      腹立つ、腹立つこととかが一杯あって。だけど、すげぇ、すげぇテレビとか漫画本とか読んでも感動して泣いてしまうことも多くって。自分がそんな泣き虫なヤツなのか、腹立たしいヤツなのか全然わかんないんですけど。あんまりこの世が、あんまりこの世がおもしろくねぇなってことがあって。この世がおもしろくねぇなおもしろくねぇなって思えば思うほど、だけどオレはなんだか死ぬのがとっても怖くなるんです。この世から、この世からいなくなってしまえみたいな、消えてなくなれみたいな、言葉には出さなくても、キミ

      • トレーニングモンタージュ。

        「とても勝てない。帰り道に考えたんだが、奴と俺とでは違いすぎる」 「どうするの?」 「わからねぇな…わからねぇな」 「あれだけ猛練習したのに…」 「いいさ、もともとクズさ。何にもねぇ男なんだ。そう思えばよ、気が楽だよ。負けて当たり前だ。例え脳天を割られたって平気だ。最後まで持ちゃ、それでいい。15ラウンド戦って、それでもまだ立っていられたら…ただそれだけで俺は満足だよ。ゴロツキじゃないってことを初めて証明できる」 先日Netflix配信のボクシングイベントが行われた。マイ

        • リトル小岩井にて。

          外食できない身なのでせめて書き散らかして充足感を得ようと思います。 「般゜若のマハーカツカレー」 キッチュこと松尾貴史氏がオーナーのカレー店。強豪ひしめくカレーのメッカ下北沢で異彩を放つカツカレー。炭入りの真っ黒いカツは一口食べたら脳が瞬く。点滅する。気がついたらそこは宇宙。美味すぎるカツカレーの最高峰。 「ラーメン二郎・一之江の汁無し魚粉」 もはや説明無用の国民食、二郎。人を殺めたくなったらまず先に二郎へ馳せ参じろとEUでも先日閣議決定されたばかり。人道的にもラーメ

          死にたいくらいに憧れた。

          落合博満が巨人にFA移籍した当時のドキュメンタリー本を読了した。 当時知の巨人と言われた吉本隆明は糸井さんとの対談か何かでオレ流に対してこう言わしめた。 「我々の世界で言ったら落合博満は王長嶋よりも遥か上の存在」 純粋なアスリートしての身体能力は長嶋茂雄の後陣を排したであろう。また王貞治が持ち合わせる武士のような精神性とは少し毛色が違う。あくまで究めたい球道は落合博満一代だけのオレ流。 大人になってこの本が再び焦点を当てている長嶋茂雄への憧憬、愛情、報いたい気持ち。そ

          死にたいくらいに憧れた。

          決断。

          黒田がカープに帰ってくる。そのニュース速報をスマホで知った時、ドラゴンズファンの僕ですらひっくり返った。 まだバリバリのメジャーリーガーやぞと。名門ヤンキースの先発ローテーの一翼を担う、あの黒田博樹やぞと。 それに加えヤンキース単年20億円のオファーを蹴り、カープが提示した精一杯の4億を選んだ。 理由はもう一度カープで野球がやりたい。そして優勝したい。彼を心地良く送り出してくれたファンへの想い。チームへの愛着。 野球のメッカ。アメリカ、日本。デビューして以来その右肩に

          どうってことねぇですよ。

          この三連休、ぴーこ氏と師匠がお見舞いに来て下すった。 横っ腹痛くてもむせても。もっと話したいし、いつだって居心地がよいひとたちだ。 テロテロになるまで酒酌み交わしたなぁ。よく覚えていないエロい話とかさ。 プロレスラーってきっとこんな気持ちなんだろうね。あゝ久しぶりにあいつと試合してぇなとか。あのビッグマッチあいつと組んでやりてぇなとか。 ふと僕の脳裏をよぎりました。ジョジョのこの一コマが。こんな気持ちです。いつもありがとう。

          どうってことねぇですよ。

          Stand by me & you

          ガキの頃、気がついたら両親が離婚していた。小2の夏休み。当時住んでいた名古屋から母の実家がある藤枝へ。何も告げられないままひと夏をそこで過ごすことになった。 夏休みも終盤に差し掛かった頃、母はマグカップを買いに行くよと商店街の古ぼけた食器屋に連れてってくれた。好きなマグカップをひとつ選んでいいよと。その時の少しだけ憂鬱そうで物憂げな表情からこのまま名古屋にはきっと帰らないんだ、と子供ながらに思った。 いつもなら派手なロボットモノか戦隊モノの柄を選ぶのにきっとやってくるであ

          Stand by me & you

          想い出は磐越西線に乗って。

          平成。週刊プロレスがとんでもない部数を叩き出していた頃。活字プロレスと呼ばれた異質のサブカルは一つのキーワードを生み出していた。それは「密航」である。 密航とは。地方に住むプロレスファンがおよそ首都圏で行われるビックカードに想いを馳せ、遠方より会場に参戦する行為を指す。遠ければ遠いほど。移動手段が過酷であればあるほど。その遠征資金を捻出するために流した汗の塩分濃度が高ければ高いほど。プロレス者にとって猛者と称賛され、英雄視された。 今回サンボマスターがライブを開催する会場

          想い出は磐越西線に乗って。

          完全試合。

          病は気から。 山井に代わって岩瀬。

          そこが渡世人のつれぇところよ。

          そん時オレな、「寅さんみたいになりたい」思ってん。 千原ジュニアのYouTubeチャンネル。ゲストのなだぎ武はそう言った。芸人・なだぎ武の成り立ち。人物譚を語る企画。いじめに遭ったり、引きこもりの過去がある芸人なのは多少知っていた。ただ彼の口から語られるこれまでの半生。そのまま映画にできそうなほど強烈な白と黒のグラデーション。一気に引き込まれていた。 中学でいじめに遭い、先生にまでいじられる毎日。本来多感である時期に絶望に浸った彼は早々に高校進学を諦める。人間と関わり合う

          そこが渡世人のつれぇところよ。

          オセロ。

          来週CTの結果がわかる。昨日から不安と恐怖がパタパタと忍び寄ってくる。オセロのように。白が黒に裏返っていく。 抗う気力も体力もないのでただそれを受け入れるだけだ。サーフボートの上でフラフラ乗りこなす。こけないように。次々とやってくる真っ黒い波を。 

          コノユビトマレ

          先日フジロックで行われたスガシカオのライブを観た。彼は既に50代。モラトリアムなねっとりファンクがキレッキレだったあの頃とは違い、ちょっと枯れていた。声量もキーも動きもビジュアルも。だがそれが年輪となって色気になる。ファンクを奏でているけれど全身からとてつもなくロックが迸っていた。 思えば。常時150キロ投げられるピッチャーが150キロ投げる球より、村田兆治がOB戦で見せる140キロ。僕はそっちの方が好きだった。より漫画的なロマンがある。トップアスリートのせめぎあいとしての

          コノユビトマレ

          あれがしたい。 これがしたい。 でも今は我慢しなくちゃいけない。 蓋をすると気持ちが一瞬にして色を失う。 表情を動かさないまま過ごす日が増えてきた。

          人と会っている時はあまり思わない。けど、人と会わないだけの日々が続くと曇った言葉が降りてくる。頭の片隅に寿命のことがかすめる。映画観てても。散歩してても。ランチ食べていても。そのたびに情熱が失われていく。

          どこにも行けないドア

          先日東京ドームで行われた井上尚弥vsネリの統一戦。自分は翌日に通院を控えていた。前回撮ったCTの結果が判明する。一抹の不安を拭えず、臆病風に吹かれている背中を押して欲しかった。勇気が欲しかった。 1ラウンド早々井上尚弥がマットに倒れる。マジか。観たことのない光景。無敵のチャンピオンが全てを失うかもしれない。だが彼は冷静だった。あの瞬間ドームにいた4万人の中で彼1人だけが冷静だった。イメージトレーニングで会得した8カウントまで呼吸を整える、を実行。立ち上がった後クリンチを経て

          どこにも行けないドア