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個展までの毎日、のこと。

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2024年12月28~30日に行う岐阜市での言葉の個展、「痛い、心臓、」までの毎日のことを綴ったエッセイ集です。
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#39  個展が無事終了しました

#39 個展が無事終了しました

改めまして、個展に来てくださった皆様、本当にありがとうございました。多くの方は県外から来てくださって、お金と時間を使って足を運んでくださることの重みを感じた3日間でした。

感情をさらけ出した言葉を展示することで、自分の感情と照らし合わせて浸ってみたり、自分の家族の感情を想像してみたり、書いた当時のわたしの心情を想像してくれたり、それぞれにいろんな楽しみ方をする姿を見ることができました。

言葉を

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#38  個展前日の覚悟

#38 個展前日の覚悟

こんばんは。今日午前中に搬入を終えて、いよいよ個展の前日になりました。搬入は案外スムーズに終わって、頭の中に思い描いていたことを初めて形にできて、とても感動しました。ここまできてやっと、個展を開くのだという実感が湧いています。

今の気持ちは、いろんな感情が入り混じっていて、なんとも複雑です。単純に楽しみな気持ちと、来たいと言ってくれた人が無事に現地に着きますようにと言う気持ち。この展示を見てくれ

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#37  躁状態

#37 躁状態

個展が1週間後に迫ってきて、いよいよというときに躁状態がやってきた。仕事での臨床中ずっと利用者さんに話しかけたり、他の運動をしている方に話しかけにいったり。いつも休憩中にする昼寝もうまくできなくて、朝も眠くなくすぐ起きれた。これはまずいぞ、と落ち着こうとしても、心臓がバクバクして落ち着かない。車の運転、気をつけなきゃ。

個展の終わりまで、1日ゆっくりできる日がない。また活動しっぱなしの状態になっ

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#36  月が綺麗に見えたとき

#36 月が綺麗に見えたとき

話せば話すほど通じ合う人。話しても話しても伝わらない人。人間にはいろんな出会いがあって、相性があって、奇跡がある。だから、言葉がちゃんと相手に入り込んで伝わった瞬間を、わたしは忘れられない。

脱ぎ捨てるときはちょっとだけ痛い。でも、その分ちゃんと大切として帰ってくる。その循環がなんだかおかしくて、くすぐったい。嫌だと拒否した穴は、愛でちゃんと埋まると知った。月が綺麗に見えたとき、思い出すのはどん

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#35  嫌なことを嫌だと言えるように

#35 嫌なことを嫌だと言えるように

嫌なことを嫌だと言えるようになって、自分のことを大切にしてくれる人だけを大切にするようになって、とても生きやすくなった。逆に言えば、自分のことを蔑ろにする人を遠ざけるようになった。人は好きだけれど、案外内側は冷めている人間。そうすることで自分を1番に守っている。

とはいってもわたしは昔から、自分の気持ちを人に伝えるのが苦手だった。本当に言いたかったことを、心の中にそっとしまうことが多かった。成長

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#34  個展に来てくれる人への手紙

#34 個展に来てくれる人への手紙

こんばんは。寒い日が続きますが、お元気ですか?

わたしはまたすこし体調を崩しました。冬はやっぱりだめですね。寒いと心も冷えてしまって、前向きになにかに取り組むことができなくなります。

個展まで2週間になりました。瞬きをする間にどんどん時間が過ぎていきます。こんな大事な時期にわたしはなんだか心と体のバランスがうまく取れていないみたいです。時間だけが個展に向かっていって、コンディションがずっと整わ

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#33  個展にて終日、ワークショップをやります

#33 個展にて終日、ワークショップをやります

12月28日(土)〜30日(月)に岐阜市の喫茶星時にて開催する個展「痛い、心臓、」にて終日、個別ワークショップを行います。

ワークショップの名前は「手紙屋」。わたしとあなたの、言葉と心の共有、交換を行えるワークショップになっています。

まずはお渡しする便箋に、現在のあなた自身の心を言葉で表現していただきます。例えば個展でのわたしの言葉を読んで吸収してもらって、感じたこと。日々の生活のなかで考え

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#32 疲れたときのエッセイ

#32 疲れたときのエッセイ

なにも書けない、なにも感じない、このまま地面に溶けてしまいたい、と思うくらいには疲れているのに、個展まであと3週間しかないので今日も机に向かう。

ワークショップの「手紙屋」(詳細は後日)は来てくれたお客さんと言葉と心のキャッチボールをしてみたいと思っている。今の自分の弱さと向き合い、わたしの展示作品の言葉を吸収した状態で出る、それぞれ心から出る表現を感じてみたい。そんなワークショップにしようと思

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#31 おとなになって

#31 おとなになって

空気が冷たくて、頭の前の方が痛い。帰り道、車にガソリンを入れて帰る。仕事の日は1日が一瞬で過ぎ去る。あっという間に12月も4日だ。

いつからかわたしは淡白になった。人に興味を持たず、深入りせず、干渉せず、依存もしない。一人きりで生きているような孤独感を抱えながら、ただ目の前に流れる光景をぼーっと見つめている。

いつからこんなに、いろんなことに無関心になったのだろう。理由は自分でよくわかっている

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#30 考えすぎの癖

#30 考えすぎの癖

「あなたは考えすぎだよ。今のことだけを考えるの。」

今日のお仕事、デイケアでのリハビリ中、ある利用者さんから言われた。何回かリハビリをご一緒していたけど、名前を見ただけでわたしの家族構成、性格、考え方の癖を見事当てられてしまった。久しぶりに、わたしと同じように見ただけで様々を当ててしまう人に出会った気がする。

いつもわたしは、頭で考えすぎる。未来を予測して、いくつかのリスク管理のための対策をし

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#29  おひさしぶりです

#29 おひさしぶりです

おひさしぶりです、秋と冬の境目で、心と体のバランスを取りきれなくなって不調続きでした、わたしはわたしの心をまもる、守るのにひっしで、必死すぎて、わたしのことがいちばん大切でしかたがなくて。あいかわらず上手に生きられません。夜はよく眠れます。朝が起きれなかったら、もうその日は鬱の始まりで、でも案外重たくならずに最近は終わります、すこしだけ強くなったみたい。でも視覚が過敏に見えるのは変わらなくて、朝は

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#28  詩「たからもの」

#28 詩「たからもの」

たからもの、たからもの、やらんよりマシでしょう、言っても言わなくても、そうだよね。言葉の断片だけを切り取って、それをたからものみたいにしまっておきたくて、大事に大事にしまっておきたくて、自分のなかの異常性みたいなものを、わたしだけのものにしておきたくて。だってそうでしょう、だれかに渡したら、その人が異常になってしまうでしょう。だから放っておいてよ、わたしのことなんか。笑顔の後ろに隠れた感情も、たか

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#27  詩「明日」

#27 詩「明日」

明日になれば、明日になれば、嫌だったものも好きになって、満腹だったお腹も空いてしまって、眠かった目も冴えてしまって、そうやって変化していくのだもの、きっと明日こそは、明日こそは。

この手綱をわたしは持ち続けるのだろうか、それともまたすぐに手放すのだろうか、1ヶ月後のことなんてわからないけれど、なにか変わる予感がした。予感。

明日、また明日が繋がっていくとき、あの歌をまた聴き直すのだろうか。そん

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#26  冬を好きになる方法

#26 冬を好きになる方法

冬になった。きっとこの寒さは、もう冬だ。冬になると決まって「あなたの手はあったかいね」と言われる。理学療法士だから人の肌に触れることが多くて、余計に言われる。冬が来たんだなあ。

冬になると決まって切ない曲が聴きたくなる。最近ハマっているのは、TikTokで話題になっていたLeinaという19歳のシンガーソングライターのアルバム「愛の産声、哀の鳴き声」。特に、喧嘩別れ、Dounuts、口元のえくぼ

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