小売業はやっぱり無理だった
大学で働いている私は
学生と同じく夏休みがある。
8月は勤務日数が少なく、お盆休みは2週間もある。
短期バイトでもしようと、ギリギリになって見つけたのが
スーパーの催事業務だった。
これが予想以上に過酷だった。
いや、過酷なう。(笑)
催事と言っても、フルーツの催事コーナーだ。
お盆にお供えする籠もりなど1セットで4000円程はする。
短期のバイトは レジと包装のみ と聞いていた。
レジと包装は経験したことがあるので
「まあ大丈夫だろう」と気楽に考えていた。
それが甘かった。
初出勤すると
「ん??催事コーナーどこ???」
見当たらない。
担当の社員さんを探して聞いた。
「短期バイトです。催事コーナーどこですか?」
すると…
「まだないけど」(どや!)
え????????
そのあとは本当に地獄の5日間だった。
やったこともないフルーツの品出しや加工作業が毎日8時間。
うそだろ~~~~~~。。。
レジ言うてたやん~~~~~~~。。
関西弁がでるほど、ありえへん!と思った。
そして、パートの人に作業内容を仰いでも
そんなんも知らないの
おられても困る
的な感じで言われる
フルーツには産地や品種など様々で、
出すタイミングやセット売りなど判断する必要があった。
そんなの短期バイト(レジ要員)が分かるわけない。(笑)
そして何度も怒られる。
知らんがな
と心の中で何度言ったか。
今度は名古屋弁だった。
とあるパートのおばちゃんはこうも言った。
「意欲高く見られたいとか気に入られたいとか思うなら、
〇〇(業務)しといた方がいいよ」
申し訳ないけど、短期のバイトでパートのおばちゃんたちと
仲良くなる気はさらさらなかった。
淡々とレジをこなす2週間を過ごしたかった。
パートのおばちゃんに気を遣って気に入られたところで
2週間後にはサヨナラするわけだし
その労力を時給に含めると、低賃金に思えてしまってならなかった。
なぜなら、私は前職で社員だったころに
パートの人たちから嫌な思いをさせられていたから。
トラウマになっていた。
今回もパートの人とはうまく話せなかった、声が小さくなった。
お客さんとはふつうに話せるのに。
そんな私を見て、パートのおばちゃんは
さらにヒートアップしてきた。
うじうじして、消極的な私にイライラしたのだろう。
なんでも言ってくるようになったし、
そのたびに
「すみません」としか言わなかった。
品出しや加工は教えてもらわなければできないことが
ほとんどだったため、
苦痛でしかなかった。
やっと前半5日間がおわり、後半2日目の今日。
昨日からやっと催事コーナーができあがり、レジ業務となった。
しかし、何の説明もない。
何がどのJANなのか、袋のサイズ、包装の仕方…
全て見様見真似でやった。
そして今日はこんなことが起こった。
お客様が会計後にクーポンを後出ししてきたのだ。
その直後に値段の違う商品の取り換えもあった。
このような場合レジでは一旦返金処理をして、打ち直しが必要なのだが
私はその操作をする権限はない。
だれかにお願いするしかないが、
周辺にいたレジの人に声をかけても
「無理、他をあたって」と断れらた。
お客さんはどんどんイライラしてきていた。
待たされるとイライラする気持ちはわかるが
「いやいや、原因を作ったのはあなたでしょ」
とも言いたくなった。
堪えた。
えらい。
10人以上並ぶのが、永遠と続く。
包装の仕方や、のしについて1件ずつお伺いしているのだから、
時間がかかることは当たり前だ。
(私がまだ不慣れな部分もあるが)
しかし、待たされていることへのイライラは
フルーツのお供えだからだと思う。
4000円以上するフルーツの盛り合わせは自分のものではない。
義実家や親戚の家の仏壇に供えるものだ。
自分のモノにならないのに、高額を払い
それに待たされていることに腹を立てているのだと思った。
これが自分のために買うジャニーズのライブチケットや
オリジナルグッズなら
待っている時の気持ちは全然違うだろう。
人のために高額払うことが嫌なんだろうな…と
当たり前だけど少し悲しい現実を
レジを打ちながら思った。
結局みんな自分のためだ。
私だってそうだもの。
短期バイトで省エネモードで働きたい。
パートの人と関わりたくない。
定時ピッタリに帰りたい。
みんな自分のために必死だ。
私も私のために必死なのだ。
早く大学の夏休みが終わってほしい。
私の夏休みがないことにイライラする前に。