【くらしの東洋医学 鍼灸で元気に】しそ(紫蘇)の葉はすごい!
鍼灸治療では、症状の改善に役立てる、日常的な養生の方法のひとつとして、食生活上で気を付けることをお話することがあります。
今回は、そんな食養生の中から、『しそ(紫蘇)』をとりあげ、しそのヒミツ、しそパワーのすごさをご紹介していきます。
1.しその由来
しそ(紫蘇)の葉は、大葉とも呼ばれ、薬味や刺身のつま、天ぷら、ペーストソースとして、多くの人に好まれ食べられています。
また、あかじそ(赤紫蘇)は、茎も葉も紫色をしており、梅干しの色づけやジュースに使われます。
まずは、しその由来のお話ですが、昔からなじみの食材であることから日本由来の植物であると思われがちですが、実はヒマラヤ・ビルマ・中国にかけて自生していたシソ科の植物であり、日本には縄文時代に渡来しました。
その後、様々な品種が栽培されて、現在に至るというわけです。
国内では愛知県、静岡県、大分県などが主な産地で、5月から8月ごろの夏に旬を迎えます。
今日では葉の表裏が緑色の「あおじそ」・「ちりめんあおじそ」が主流になっており、「ちりめんじそ」・「あかじそ」は漬物の着色用に用いられることがほとんどです。
2.現代の研究から
しそに含まれるベリルアルデヒドという成分は、ブドウ球菌と真菌に対する抑制作用や防腐作用に優れます。
また、しその揮発油は嘔吐を抑制する作用をもちます。
シソの葉が薬味として使用されるのは、こういった作用によるものなのですね。
また、しその主な栄養素としては、カルシウム、カロチン、ビタミンCが含まれており、強い抗酸化作用により老化防止の効果が期待できます。
女性にとって老化防止は、とても魅力的な効果ですね!
また、赤じそには眼によいアントシアニン色素が多く含まれています。
3.東洋医学的な効能
東洋医学的には、しそは以下のような属性と効能をもちます。
【性質と味】 温、辛
【関連する臓腑経絡】 肺・脾・胃経
①発表散寒(はっぴょうさんかん)
風邪対策に効果的です。
発汗作用により、寒さからくる風邪を発散して、改善しやすくします。
②行気和胃(こうきわい)
しその温める性質により、胃腸の働きを良くします。
二日酔いや嘔吐に対して、改善が期待できます。
③解毒
魚や、カニの毒素を消す作用を持ちます。
4.しその葉の上手な保存
スーパーで買ってきたシソの葉、冷蔵庫に保管しっぱなしで、いつのまにかしなびてしまった、なんて苦い経験をしたことはありませんか?
実は、シソを冷蔵庫で保存する時に、ある一工夫をするだけで、簡単に鮮度を保つことができるのです!
その方法とは、シソの葉を買ってきたら、すぐに茎を数ミリカットします。その後、水を入れた容器にしその葉をさして(花瓶の植物のようなイメージです)、ふたやラップをして乾燥させないようにして、野菜室で保存します。
こうすることで、1~2週間は鮮度を保つことができるのです。
ぜひお試しください!
5.しその葉レシピ
しその葉が身体のよいことはわかったけど、レシピのレパートリーがなく、困ってしまう人も多いようです。
インターネット上には、たくさんのしその葉レシピが出回っており、しその醤油漬けやしそジュースなど、しそをメインとしたレシピもたくさんあります。
ぜひ、これらを活用して、しそを上手に食生活にとりいれて元気になりましょう!
いかがでしたでしょうか?しそ(紫蘇)の葉はすごい!はお楽しみいただけましたでしょうか?
このように、身の回りにあるいろいろなものを東洋医学的にみていくと、鍼灸ほかにも、身近なところに自然治癒力を高めるヒントがたくさんあることに気づかされますね。
それでは、鍼灸でからだも心も元気になりましょう!
鍼灸 あやかざり
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参考文献:『中医臨床のための中薬学』、『東方栄養新書』