暮らし方の綾

暮らし方の綾 私たちの日常には暮らし方の美があります。 それらが織りなす生活模様「暮らし方の綾」を発信しています。

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最近の記事

銭湯屋台(せんとうやたい)

銭湯屋台(せんとうやたい) 意味 銭湯の近くで営業する屋台を指す。 使用例 昔は、銭湯屋台のラーメンが何よりの贅沢だった。 近所のおじさんに連れられて、よく銭湯屋台に行ったものだ。 類義語 湯上がり膳 湯上がりラーメン エピソード 戦前の秋田県のある家庭では、家庭に風呂が無いため銭湯に通うのが日常だった。銭湯からの帰りに、近所の人や家族と屋台のラーメンを食べるのが贅沢で、楽しみなひとときだった。ラーメンは特別な食べ物で、少し高価であり、奢ったり奢られたりしてコ

    • 青味狩り(あおみがり)

      青味狩り(あおみがり) 意味 果実や木の実がまだ熟す前の状態で、あえて摘み取って味わうこと。未熟な青い実には独特の酸味や渋味があり、それらを楽しむ心境を指す。 使用例 ・子どもたちは青味狩りの季節が来ると、青い柿や栗を摘んで持ち帰った ・昔は近所の子どもたちが、山に行って栗や柿を競って青味狩りしていたものだ。 類義語 早摘み味 青摘み味 エピソード 鳥取県の家庭では、秋の初めにクリがまだ熟しきらないうちに木から落としていた。竹べらを手に、祖父母と一緒にイガを割り、

      • 発酵華が咲く(はっこうかがさく)

        発酵華が咲く(はっこうかがさく) 意味 発酵の過程で、麹菌が成長し、花のように広がる状態を指す表現。麹が繁殖し、発酵が順調に進行していることを「花が咲く」様子にたとえたもの。 使用例 ・味噌を仕込み始めて数日後、樽を開けると発酵華が咲く様子が見られた。 類義語 ・麹花(こうじばな) ・青麹/純白黄麹菌 エピソード 三重県で地域の人々が大釜で豆を炊き、味噌を手作りしていた時代、麹菌が発酵し青い菌糸が広がり始めると、「花が咲く」と言われていた。それが発酵の進行と共に味噌の

        • 想い針(おもいばり)

          想い針(おもいばり) 意味 家族や大切な人への思いを込めて縫い物をする所作。針仕事に心を込め、配色やデザインに工夫を凝らしながら、縫う行為。 使用例 彼女は母のために、長年使っていた布で新しいハンカチを縫った。その細やかな手仕事は、まさに「想い針」そのものだった。 類義語 愛針 手仕事(てしごと) エピソード 娘の踊りに使う笠を入れる袋を縫うことになった。布を選び、どんな紐を通すかを考えながら、全て手縫いで仕上げた。 「この袋にはどんな紐がいいかな」と悩みなが

          徳利道(とっくりみち)

          徳利道(とっくりみち) 意味 焼き物の徳利を手にして酒屋に向かう行為やその道のり。 使用例 ・父は夕暮れになると徳利道をたどり、酒屋まで徳利を持って酒を買いに行った。 ・酒がなくなると、祖父はすぐに徳利を手に、酒屋への徳利道を歩き出した。 類義語 ・酒汲み(さけくみ) ・徳利詰め(とっくりづめ) ・酒差し(さけさし)」 エピソード 徳利道は、かつての日本の多くの地域で見られた風景の一つで、酒屋で酒を買う際に陶器の徳利を持参するのが普通だった。鹿児島では、白地に青い柄が

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          青皮漬け(あおかわづけ)

          青皮漬け(あおかわづけ) 意味 スイカの皮を塩漬けや漬物にして食べる料理。スイカの皮を無駄にせず活用する知恵の一つで、特に夏の時期に家庭で親しまれた食。 使用例 ・スイカを食べ終わった後、皮をむいて青皮漬けを作るのが夏の恒例だった。 ・青皮漬けはウリ漬けに似た風味で、暑い夏にぴったりのおかずだ。 類義語 ・ウリ漬け ・塩漬け エピソード 愛媛県などの地方では、スイカの皮を無駄にしない知恵として「青皮漬け」がよく作られていた。夏に食べたスイカの甘い果肉だけでなく、皮の青

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          秋味待ち(あきみまち)

          秋味待ち(あきみまち) 意味 秋に訪れる自然の恵み(果実や木の実)が熟して甘くなるのを心待ちにする所作。実が収穫できるまでの時間を楽しみに過ごす様子を表した言葉。 使用例 ・今年もシイの実が熟すのを秋味待ちしながら楽しんでいる。 ・栗や柿が甘くなるのを家族で秋味待ちしている。 類義語 ・実り待ち(みのりまち) ・味覚待ち(みかくまち) エピソード 香川県のある地域では、シイの実が秋になると熟して甘くなり、それをおやつにするのが楽しみだったという。青い実が少しずつ赤く変

          秋味待ち(あきみまち)

          色熟み(いろぐみ)

          色熟み(いろぐみ) 意味 桑の実などの果実が、時間の経過とともに色を変えて熟していく過程。 使用例 ・色熟みの過程を楽しみながら桑の実を摘んで食べた。 ・青い実がやがて色熟みして、甘いおやつになった。 類義語 ・実色移り(みいろうつり) ・実熟み(みじゅくみ) エピソード 宮城県塩竃市の男性が子どもの頃、夏になると大きな桑の木に登って、青い実が赤く、そして葡萄色に変わる様子を見ながら収穫していたという。桑の実をポケットいっぱいに摘んで、手や服が染まるほど食べた甘い味は

          色熟み(いろぐみ)

          青葉灯(あおばあかり)

          青葉灯(あおばあかり) 意味 ホタル籠の代わりに身近な植物で工夫して籠を作り、その中にホタルを入れて光る灯。 使用例 ・子どもたちは青葉灯を作って、ホタルの光を楽しんだ。」 ・畑から取った葉を筒にして、青葉灯にホタルを入れて遊んでいたんだ。 類義語 ・葉筒灯(はづつあかり) ・蛍灯(ほたるあかり) エピソード 宮城県に住む女性は子供の頃の夕食後にホタルを取りによく遊んでいた、ホタル籠は買えなかったため、畑のネギをぽきんと折り、その中にホタルを入れて楽しんでいた。青々と

          青葉灯(あおばあかり)

          蚊いぶし(かいぶし)

          蚊いぶし(かいぶし) 意味 囲炉裏などで杉の葉をいぶし、その煙によって蚊を追い払う方法。蚊取り線香が普及する以前に行われていた自然な防虫法で、特に杉の香りが心地よいとされていた。 使用例 ・夏になると、蚊いぶしをしてから寝るのが当たり前だった ・蚊取り線香よりも蚊いぶしのほうが、自然な香りがして心地よかった。 類義語 ・蚊取り香 ・蚊くすべ ・蚊やり火 ・蚊火 エピソード 仙台市青葉区に住む高齢女性は夏の夜、囲炉裏で青い杉の葉を燃やして家中の蚊を追い出していた。蚊取り

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          月恵み(つきめぐみ)

          月恵み(つきめぐみ) 意味 お月見の際に供え物をし、そのお供物をいただく所作を指す。特に、仙台地域での風習として、里芋や栗、団子を供え、それらは盗んでも良いとされていた。 使用例 ・夜、子どもたちは月恵みの供え物を少し盗んで笑い合った。 ・栗名月には栗を供え、月恵みの風習を楽しんだ。 類義語 ・名月供え(めいげつそなえ) ・月見供(つきみそなえ) ・月盗み(つきぬすみ) エピソード 仙台市青葉区に住む84歳の女性が語る「月恵み」の思い出は、秋の風物詩としての芋名月(

          月恵み(つきめぐみ)

          藍映し(あいうつし)

          藍映し(あいうつし) 意味 藍染めの文化が栄えた土地において、川の水が藍色に映る様子。 使用例 ・昔は吉野川が藍映しで、川の水が藍色に輝いていた。 ・晴れた日に城山に登ると、藍映しの美しい川の風景が見えた。 ・藍映しの風景を思い出すと、徳島の藍染め文化がいかに豊かだったか感じる。 類義語 ・藍日の景(あいびのけしき) ・藍染めの眺め(あいぞめのながめ) エピソード 徳島県はかつて「藍の国」と呼ばれ、藍染めの文化が盛んだった地域。蜂須賀家が築いた城山から見える吉野川

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          寄り結(よりゆい)

          寄り結(よりゆい) 意味 地域で親しい家同士が集まり、互いに助け合う所作を指す言葉。葬式や屋根葺きといった重要な行事や大変な作業時に、仲の良い家族同士が集まって手を貸す行為。 使用例 ・大変な作業も、寄り結のおかげで無事に終わった。 ・葬式では隣近所が結で支え合い、皆で準備を進める ・寄り結の伝統は、今でも地域の絆を大切にする場面で続いている。 類義語 ・助け合い(たすけあい) ・結縁(ゆいえん) エピソード 宮城県角田市で大正3年に生まれた女性は葬式や屋根葺きの際に

          寄り結(よりゆい)

          梅雨読み花(つゆよみはな)

          意味 タチアオイの事。開花する順序を観察すると梅雨の始まりと終わりを読み取れる。下が咲き始めると梅雨が始まる。下から順に上まで咲き、一番上が枯れ終わると梅雨が終わると言われている。 使用例 ・おばあちゃんは毎年梅雨読み花で今年の梅雨の終わりを教えてくれる。 ・昔の人は、梅雨読み花のように花で季節を読む生活をしていた。 類義語 ・花暦(はなごよみ) ・梅雨暦(つゆごよみ) ・花時計(はなどけい) エピソード 梅雨時期の熊本の山々では、登山好きの女性たちがタチアオイの花を楽

          梅雨読み花(つゆよみはな)

          雪迎え(ゆきむかえ)

          雪迎え(ゆきむかえ) 意味: 晩秋に、糸をつけた子蜘蛛が風に乗って空を飛ぶ現象。この現象が見られると、間もなく雪が降る予兆とされる。雪の降り始めを迎える風物詩となっている。 使用例 今日は雪迎えが見られたから、明日は雪が降るかもしれないね。 子供の頃、雪迎えを見つけると、いよいよ冬が来ると感じたものだ。 類義語 年老いた母の夏(としおいたははのなつ) 聖母マリアの糸(せいぼまりあのいと) 冬の知らせ(ふゆのしらせ) エピソード: 北国の農村では、自然の小

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          汁の実畑(しるのみばたけ)

          汁の実畑(しるのみばたけ) 意味 味噌汁の具(実)となる野菜や食材を育てるための畑や庭。 朝味噌汁を作る際に、畑から味噌汁分の野菜や具材を収穫して使う習慣があったことで生まれた言葉。 使用例 ・祖母は毎朝、汁の実畑から新鮮な野菜を摘んで、味噌汁を作ってくれた。 ・この時期は、汁の実畑で育った茄子やネギが味噌汁にぴったりだ。 類義語 野菜畑(やさいばたけ) 家庭菜園(かていさいえん) 自家栽培(じかさいばい) 畑の朝食(はたけのちょうしょく) エピソード 昔の日

          汁の実畑(しるのみばたけ)