発酵の魅力と憂鬱
こんにちは。
いつも読んでいただき、ありがとうございます。
発酵食品と聞くと、とても身体に良いという印象がありますよね。
食品の旨みを引き出して、栄養価を上げる
保存性を高める
腸内環境を整える
わたしが夢中なパンも発酵食品です。
パン作りをはじめた頃は、イーストを使って発酵をさせることしか知りませんでしたが、はまり始めると自家製酵母という存在を知るようになりました。
本やネットを見て、早速作ってみることにしました。
はじめは全く発酵しなかったり、酵母ができたと思ってパンを仕込んだら、酸っぱいパンが焼き上がったり。
何度も何度も作るうちに何とか、パンらしい物が焼けるようになりました。
しかし、自家製酵母は生きているので放ったらかしには出来ません。
毎日パンを焼いていれば良いのですが、しばらく焼かないと冷蔵庫の片隅でダレた中種がこちらをみて
「気づいてー」
と訴えてきます。
おそらく性格的な問題だと思いますが、そうなると気になって仕方ありません。
「早く何とかしなきゃ。」
ダメにしたらもったいない、
でも今日はパンを仕込む元気がない、
もう頭の中で葛藤です。
自分で自分の事を追い込んでしまいます。
だんだん憂鬱になってきます。
そんな訳で、自分には自家製酵母は向いていないなぁと思い、イースト一辺倒で焼いてきました。
しかし、何かのきっかけで自家製酵母で焼いた美味しそうなパンを見ると、あの旨みと発酵パワーを思い出して、また食べたくなるのです。
レーズンで仕込んだ酵母は、ワインのような芳醇な匂いがします。
わたしはお酒が大好きなので、お酒の香りを嗅ぐとお酒の席の楽しい雰囲気が甦ってきて、自然と上機嫌になります。
レーズンもオーガニックのものを使って仕込むと発酵も早いし、パワーも強い。
出来立ては、安定しませんが何回か継いでいくと、だんだんいい感じの生地が仕込めるようになります。
ちょっと前に仕込んだレーズン酵母で焼いたパン。
イーストで仕込むと、オーブンに入れた時に膨らむスピードが早くてあっという間に生地が乾いてしまいます。
クープを入れてもすぐに焼き固まってしまい、表面がパリッとうまく割れません。
しかし、自家製酵母で仕込むと膨らむスピードがゆっくりなので生地が乾かず、パリッとクープが開いてくれます。
このパリッと割れたクープが見たくて、自家製酵母を仕込んでいると言っても過言ではありません。
生地がゆっくり膨らむと内層も、上に大きく伸びてふわふわに柔らかく焼けます。
何にも付けなくても、パン自体にとても旨みがあるのでそのまま美味しく食べられます。
しかも、日にちが経っても固くならずふわふわを長くキープしてくれます。
それでいて、腸内環境を整えてくれるなら自家製酵母のパンを仕込まないわけにはいかない。
でもねー。
一筋縄ではいかないのです。
イーストで焼いたパンにも、小麦自体の味を楽しめたり、お手軽、長時間発酵させれば旨みを味わえるという利点も当然あるのですけどね。
もっと気軽に自家製酵母を扱えるようになれたらなぁ。