マガジンのカバー画像

ジェンダー・性・愛

16
運営しているクリエイター

#ジェンダー

私は選択的夫婦別姓を認める派

明日終わってしまう「虎に翼」にも話題になった夫婦の姓の問題。いわゆる選択的夫婦別姓問題。日本伝統の戸籍制度がー、とか言っている人がいるが。
 かつて『諸君』や『正論』を読み、西部邁氏の論考にも触れてきました。彼は保守的な視点を持ちながらも、単なる右派とは異なる独自の考え方を示していたと感じる。
 最近、旧ツイッターなどで選択的夫婦別姓の話題がよく取り上げられている。この議論は長年続いているにもかか

もっとみる

「家父長制と資本主義」上野千鶴子と「なぜ男女の賃金に格差があるのか」クラウディア・ゴールドウィン

先日の私のへっぽこ記事で

終わりの方に、上野千鶴子氏の思想を彼岸に、クラウディア・ゴールドウィン氏の記事を現世に例えた。フーコー風にいうと現世での成功はアンチ・プラトンやアンチ・アリストテレス。
 上野千鶴子氏の同書の7章「家父長制と資本論の二元論」はわかりにくく現在4度目の読解中であるが、7.3節「資本制下の家事労働:統一理論の試み」ではこれまで大風呂敷を広げてきたことが、家事労働の無償制→有

もっとみる
上野千鶴子氏の「女ぎらい」のタネ本のセジウィック「男同士の絆」

上野千鶴子氏の「女ぎらい」のタネ本のセジウィック「男同士の絆」

氏が本の中でタネ本だと言っていた「男同士の絆」。またNHKでお正月にやっていた100分で名著のフェミニズム会でも紹介していた本。

ホモソーシャルということばは今ではよく使われるが、その言葉をはじめて提案した本であるとのこと。

まだ序章と結論しか読んでいないが、上野千鶴子氏がこの本はフーコーの「性の歴史」の影響を受けているというだけあって、ボズウェル、ドーバーなどの同一の引用文献が出てくる。
 

もっとみる

上野千鶴子「女ぎらい」朝日文庫に現れるミシェル・フーコー

ジェンダーやセクシュアリティについての調査なら日本では上野千鶴子氏をみておかないといけないと思い、まずは図書館で取り寄せ。
 興味深い分析が続く。さすがな分析だと思う。別文献かもしれないが、そのような社会が成立した原因、要因、歴史的なものへの言及はない、かあえて避けている。なぜそのようなことを思ったかというと:
 フーコー「性の歴史」が頻繁に引用される。
例えば、第2章ホモソーシャル・ホモフォビア

もっとみる
上野千鶴子氏の「家父長制と資本主義」に引用されているミシェル・フーコー

上野千鶴子氏の「家父長制と資本主義」に引用されているミシェル・フーコー

上野千鶴子氏のフーコー好きは有名か?
氏は確かに女ぎらいでフーコーの本を読んでインスピレーションを受けたことを書いている。
それはすでにレポートしました:

さて、家父長制と資本制を読んで、フーコーネタを少し拾ってみる。
まず明示的な引用、
1 第8章「ミシェル・フーコーは「性の歴史」の中で、近代的な性道徳は「家族」の中に<性>を押し込めたと指摘するが、その裏面は、「家族」が歴史上かつてない<性化

もっとみる

上野千鶴子氏の「家父長制と資本制」を読んでます。まだ第5章ですが、マルクス、フロイト、アルチュセール、メイヤスーなど理論的な思想家が引用されつつ家庭内労働や再生産など実践的な議論が乗っかってきます。となると、この本の出版からこれまでの総括が気になります。

男も家事をしないと結婚してもらえない、そして自由

私の母が私が高校生から大学生くらいの頃、1990年ごろだろうか、よく、男も家事をしないと結婚してもらえないよ、と言っていた。それは今,共働きが増えてますます強まってきているように感じる。
 先日母と二人で食事することになり、そのことをどうしていうようになったのか、聞いてみた。私の想定はテレビとかだろうと。
 そうしたら、お店のお客さんよ、とのことだった。母は婦人用雑貨を国道沿いに営んでいた。そして

もっとみる

シルヴィアヌ・アガサンスキーの「性の政治学」、そして、ジャック・デリダ

アニー・エルノーに強い感動を覚え、それで思い出したのですが、アニー・エルノーも影響を受けたボーボワールの自伝をちょっと前に読みました。それが面白かったので、ジャン・ポール・サルトルやミシェル・フーコーなど思想家の伝記もチェックしようと思い読み始めました。
 それまでなされた仕事と個人はある意味別であるべきと思っていたのですが、最近はフーコーの性の歴史、2巻と3巻こそ、哲学的思考と実践の葛藤なり双方

もっとみる