マガジンのカバー画像

作品レビュー

14
アニメ、書籍、映画などの作品レビューです。レビューになってないものもたまにあります。
運営しているクリエイター

#読書レビュー

同じところをぐるぐる回る遊び〜『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』レビュー〜

同じところをぐるぐる回る遊び〜『<責任>の生成ー中動態と当事者研究』レビュー〜

突然だが、サーキット走行というものをご存知だろうか?文字通りサーキットを車やバイクで走る事だ。僕は趣味でオートバイでサーキットを走っていた。過去形なのは、サーキットで怪我をしてしまい現在はサーキット走行自粛中だからだ。それはさておき、このサーキット走行の事を人に話をすると、概ね同じ様な反応が返ってくる。まず、「レースをやってるの?」と聞かれる。「いや、レースではなくただサーキットをぐるぐる走って回

もっとみる
村上龍は何故モテる?〜『ユーチューバー』レビュー 〜

村上龍は何故モテる?〜『ユーチューバー』レビュー 〜

僕が初めて村上龍の存在を知ったのはテレビだった。「Ryu‘s Bar 気ままにいい夜」という、村上龍がホストを務める番組で見た記憶が最初だ。 この番組は1987年から1991年にかけて放送され、綺麗なアシスタントとゲスト、そしてホストの村上龍がトークをするという内容だ。当時高校生の僕が村上龍に抱いた第一印象は、なんでこんなに顔が大きくて(不細工ではないと思うが)そんなに格好良くない男がこんなにモテ

もっとみる
暇を潰して潰されて(『暇と退屈の倫理学』レビュー)

暇を潰して潰されて(『暇と退屈の倫理学』レビュー)

人間は、退屈が嫌いだ。退屈から逃れるためなら進んでワーカホリックになったり、政治革命に命を投げ出して死んだり、不幸にすらなってしまう。そんな退屈から我々はどうやって逃れるのか?そのヒントがこの本には書かれている。この本の著者である國分功一郎氏は、哲学者でありフランス現代思想の研究者である。よってこの本『暇と退屈の倫理学』は哲学的なアプローチで退屈について論じている。

筆者は、退屈を埋めるのは自分

もっとみる