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共感覚と「脳」の個性
少し前の話になるが、京都大学で共感覚研究協力をしに伺った。テレビ局の方も来ていただき、私自身色々と不明だったことの質問も聴くことができた。
共感覚で最も多く記録されているのは私の持つような色と繋がる共感覚だそうだが、ふと疑問に思うことがあった。
「なぜ、そういった共感覚が起こりうるのか。」だ。
初歩的でかつ重要な部分を私はなかなか見つけることができなかったので、質問をすることにした。答えとしてはこのようなことだった。
色と他の感覚を繋げる共感覚は、脳が何かを識別する時に起こる。その識別時に「色」を使うことによって共感覚となっているわけだが、なぜ脳が識別に色を使うのかは、「その人が色彩感覚を使うことを得意としているため、色を使う方がわかりやすいから」だそうだ。
単純明快、というべきか。色共感覚はメイクアップアーティストや画家など色を使う仕事をする人に多く見られる。(それ以外ももちろんいるが)自分の得意を仕事にしている人たちで、「色」に長けているのだろう。
私も、メイクアップアーティストを何年もしているしカメラの仕事も色彩を重視することから、自分が色に強いのだろうということが推測できる。
一見すると不便なように感じるが、実は脳がよかれと思って便利な覚え方をその人の特性を見ながら選んでいた、という事実に驚いた。
共感覚は個性と言い続けてきたが、脳自体がもう個性があるのだな。そうなると、聴覚と繋がりやすい人が音楽関係の方であったり、味覚と繋がりやすい人が調理の仕事についていたりする理由もわかってくる。
みんなそれらが得意で、得意を活かして物事を見ている。
成長と共に脳が発達すると不要とされるようだがそれでもなお、その識別方法がその脳では重要視され続け大人になっても残った。それが共感覚だ。
共感覚は能力者ではない。そして障害でもない。
これは単なる「脳による個性」だと、胸を張って言えるようになったのが大きな収穫であった。
山口葵
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