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魂の叫びを表現した1年間

去年、不安症を発症しどん底だった時に書き溜めていたものが出てきた。

つぶやきや、短文のまとめだけれど、「魂の叫び」がこめられていて、世に出さないのはちょっと去年の私が可哀想に思い、出してみる。

今の私しか知らない人は、驚くような痛烈なものかもしれないことを先に謝罪しておく。

こんなに死にたいのに、生きている。


なんとかもがきながら生きている。
こんなに死にたいけど、生きているんだ。
— 山口葵

 ある人は私を見て哀れと言う。ある人は気持ち悪いと言う。
だからなんだよ、これが私なんだよ、心に浮かぶものを文字にしているだけ。哀れでも、気持ち悪くても、これがありのままの私なんだ。

嬉しいも幸せも悲しいも苦しいも、全部全部取り出して言葉にしているだけだよ。素直な気持ちを吐露すると、人は嘲笑うのは何故だろう?こんな気持ちは、私以外の人も経験しているのではないのか。

歳をとってからも素直に悲しいと、苦しいということは恥ずかしいことなのだろうか。

いい加減に生きている人はたくさんいるのに、
私の人生なんでこんなに険しいのだろ。
何がゴール?

—寂しい夜を半分僕に預けてほしい
 嬉しい時は十分に笑いあっていたい― 菅田将暉「虹」
 
本当にそうだな。本当に私たちはそんな生活をしていたんだな。
 
わかったところでなんなんだ。わかったところでひとりだよ。
もうあの人は帰ってこない。あの日はもう戻らないんだよ。こんなこと繰り返していったい何がしたいんだろう、私の人生半分以上しにたくて、今から何が彩られるというのか。

のらりくらりと生きてこられたならば、もっと朗らかな人間でいられたら。そう思うがこれが私で、このような苦悩を抱えてずっと生きてきた。こんな歳まで生き延びてすごいな。

こぼれる涙も、悲しい夜も、数え切れないくらいあったはずなのに。
それだけは自分をほめてあげられる。だけどそれだけ、それだけだ。
 
この先、何があるって言うんだ?
こんな風にふらふらで生きて、無様だろうよ。滑稽だろうよ。

あとは嫌われ松子の一生みたいに寂しい最期を迎えるくらいじゃねーのかよ。とっとと終わらせたいな。こんな茶番みたいな人生。

でも、大事な人が泣くのは嫌だなあ。私が居ないのを寂しがるのは、嫌だな。
 
それだけで生きてんな。それだけが今生きている理由。

「葵さん、普通にバケモンやからもっと自信もったら?」

尊敬する方にそう言われた。立場のある人なのに他人をジャッジせず、柔らかい物腰で話すその方は私の中の可能性をいつだって信じてくれていた。

「バケモンはこれから先、何になるの?」

私はそう訊ねた。私がもし何かを持っているバケモンだったとして、どんな風に育っていくのだろう?

先なんかあるのか、こんなどうしようもないバケモンなんかに未来なんかあるのか。

「幸せになるんだよ。」
彼は迷わずそう答えた。
 
ああ、そうか。幸せに、なりたいなぁ。
こんな私でも、幸せを願ってもいいのだろうか。

どん底まで落ちて落ちて、もうこれ以上沈むことはないだろう、そう思ってはまた更に下に落ちた。

気が付けばそこは真っ暗闇で、誰もいなくて、ひとりぼっちのようだった。

だけどこんな風に、声をかけてくれる人がいる。自分がひとりぼっちだと感じているのは実は自分の思い込みかもしれなくて、周りを見渡せば手を差し伸べてくれる人がいる、そう思えた。
 
奈落の底から見上げる光は、今はとても手が届きそうにないけど。
遠くても必ずあるもんな。

感情的で悪魔的。デモーニッシュ。
そんな時にしか表現できないものが、ある!

この世には陰属性の人と陽属性の人がいて、お互いに超えられない壁がある。俗性が同じだとより分かり合いやすい、分かり過ぎるほどに。

各属性で光の与え方が違う。

陽は自分から発光し明るい場を作り、陰は暗闇に光を灯す。向かう先はどちらも同じだ。
 
癒し方もそれぞれ違う。陽は自分のところまで一気に引き上げる。陰は闇を理解し取り除く。みんな違ってみんな良い。バランスが崩れないように、周りが見えなくならないようにだけ気を配ればいい。
 
そして私は言わずもがなの陰属性だ。根暗にしかできないことが必ずある。

毎日起こる全てがエモーショナル。
疲れるけど、死ぬまでドキドキしてたいわってYUKIちゃんも言ってた。

文章はここで止まっていた。

BeautyJapanでスポットライトを浴びた私は最初からあんなふうじゃなくて、こんなにも闇を抱えてからのスタートだった。

手を痛め、心を痛め、なんにもなしからのスタートをはじめたこの小さなおうちで、なんの音にも邪魔されず、ひとり心に出てくる言葉を綴り続けた。

私がゼロになった去年、まわりの私の個性を見る目は厳しかった。
受け入れてくれる人もいたが、文章を読まない・書かない人からは特に思ったことを文章にすると、気持ち悪いと言われ、嫌われることも多かった。

文章を読み慣れていない人からすると私のエモーショナルな言葉は胸やけを起こしてしまい、また読み慣れている人には麻薬のように何度も何度も読みたくなる、新しい言葉を欲しくなるという、不思議な文章らしかった。

そんな中で感情を絵にすると、どうしてかほとんどの人が受け入れてくれた。へんなの、絵にするのも文字にするのも、私にとって何も変わらないのにな。そう思いながらはじめた共感覚アートだったが、あの頃は想像できないほどの人たちに見てもらえ、手に取ってもらっている。

クラウドファンディングでは、絵のリターンを一番選んでいただけた。

私の魂の叫びである文章は、ネガティブな言葉を発することを次第にやめていった。きっと人を引きずり込んでしまう。どうせ引きずり込んでしまうなら、楽しくなる言葉を、幸せになる言葉を生み出そう。

ネガティブなものは絵で表現しよう。そんな風に内面が少しずつ変化していった。表現する方法が増えていく中ネガティブな色も、今はほとんど描かなくなった。

この文章にある「葵さんはバケモンだから自信を持って」と言った彼は、今でも応援してくれている。

「バケモン」は、今幸せを感じているよ。

周りには暖かい人たちがいて、自分の表現方法を間違えなくなった。わけがわからなくなっても、きちんと地に足をつけに戻ってこれるようになった。

一人では出来なかった。
一人でもがいたけれど、独りじゃないから今の私がいるのだ。

暖かい、陽だまりを目指し、
こんなに心が壊れかけていても、必ず開ける道は用意されている。

闇を知ってきたからこそ、それを導けるような人間になりたい。


山口葵

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