なつめぐ

小説、思ったこと、日々の暮らしについて、短い文章を綴ります 村上春樹さんとラジオ、桑田佳祐さん、ビートルズ、サザンオールスターズ、音楽に癒されてる30代OLです

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カツマタくん

おばあちゃん、お元気ですか? わたしは元気です。今日は家族全員で会いに来ました。そちらはどうですか?おじいちゃんとは会えましたか?それとも、学生さんの頃、出会った東京の方と会えましたか?ああ、これは2人だけの内緒でしたね。 おばあちゃんのことを考えるとおばあちゃんの家の2階でかもめの玉子を食べながら(おばあちゃんの選ぶ銘菓が好きでした)お話ししたこと、お父さんと一緒に新鹿島の施設に遊びに行ったこと、子どもの頃の夏祭りを思い出します。 子どもの頃、おばあちゃんの家の前の神社で夏

    • ポピー畑と桜と春のお出かけ

      この前の公休日に 上野の東京都立美術館に行ってきました。 『印象派 モネからアメリカへ ウスター美術館所蔵』 ずっとずっと行きたかったのですが、 なかなか上野に出て行く機会がなく、駆け込みで行くことができました。 素敵でした! クロード・モネ 『睡蓮』  静かさと水の色合い、鮮やかな睡蓮の花に癒されました  チャイルド・ハッサム『花摘み、フランス式庭園にて』 木陰に太陽の光がさしている感じ 素晴らしく素敵 アンデシュ・レオナード・ゾーン『オパール』 水辺の少女たちの麗

      • 春のランニング

        春始まりの夜にランニングをしていて ああ、わたしは春が好きだと思った。 夏の匂いが少し混ざって水分を多く含んだ夜風や 日々色づいていく花の木がある景色。 そして、こうやって走っていて、やっぱり春が好きだと気づく。 私のランニングコースは、家から市役所通りを通って町のパン工場の外周を折り返して家に戻る。 パン工場は、夜にフル稼働するらしく 春の夜風に紛れてパンを焼く甘く香ばしい匂いが運ばれてくる。 パンの匂いは人を幸せにすると思う。 市役所通りを走ってるので車通りは多い。

        • 春花

          冬のイルミネーションも素敵だけど 私は春の花たちが好き 今しか見れないその瞬間を見れるから とっても貴重な瞬間 だって河津桜は少し見ないうちに 葉桜になってしまう 冬から春に移り変わり 町のあちこちで彩りを見せる 河津桜、梅、桃、椿、すみれ、菜の花、すずらん 満開の桜も今からたのしみ ただそこにふわっと咲くだけで 景色が華やかで美しくなる この瞬間 次来た時は違う色になっているかもしれない 花びらの開き具合も変わってくるかもしれない だからこの時期は、どうか一緒に

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        カツマタくん

          いいじゃん、夏なんだから

          5年ぶりにあなたを見た 新しくできたスーパーの中で。 私たちは同じ市内に住んでいたけど、地区が違うのでこれまで偶然ばったり、会うことはなかった。 相変わらず、そのまま海に飛び込めそうなくたっとしたハーフパンツにTシャツ、サーフィンにはまだ行っているのだろう黒糖みたいな肌。そして、あの頃からすこし出た下腹。 隣には色白の顎でそろえた茶色のボブ、細いボーダーのTシャツに淡い水色のデニム、そしてお腹には、まるまるとした子ども。 芹澤さんに彼女がいることは知っていた、彼は初めから私に

          いいじゃん、夏なんだから

          朝帰り

          日曜日の早い時間 家の近所を手を繋いで歩いている若いカップル 駅に向かっているのだろう 私の家から駅と反対方向にラブホテルがある そこから駅に向かうのだと思う 実は2人は同棲していて2人の家から駅に向かうのかもしれないし どちらか片方の家から駅に向かうのかもしれない でも、なんとなくラブホテルからの帰りのような気がする ラブホテルとは対照的な爽やかで清々しい2人で きりっとした空気の日曜日の朝 なんだか微笑ましくて頑張れと言いたくなる 笑っちゃうくらい泣きそうになる ああ

          夜の富士山

          俺、移動になりました お昼休みに届いたLINE どこへ? 山中湖の近く いつから? 7月から!   一緒についてきてほしいではなく まあ、そんな遠くもないから遊びに来てよだって 6月終わりの午後 会社の窓から差し込む、夏が始まる前の太陽が眩しい そんなこんなで彼はあまり多くない荷物をまとめ、愛車のレクサスRXで引越しをして転勤してしまった 彼は名目上は東京本社への配属だったが、実際は別荘を売りにした不動産部門への配属で、実際の勤務地は山梨県、山中湖のほとりになった。 元

          夜の富士山

          ふくらはぎ

          小田急線の新宿駅、2階ホーム、朝の8時 セーラー服の女子中学生たちがぱらぱらと電車に乗る。 小田原方面からたくさんの勤め人を詰め込んで新宿で吐き出して空っぽになった電車に ぴちぴちとした女子中学生たちが乗り込む 無防備なふくらはぎ、 まっしろでふっくらしたそれをみて、勝てる気がしないと思った

          ふくらはぎ

          ティファニーより

          レディガガのしていたイエローの大きなダイヤモンドのネックレス 世界最大級の輝きを胸につけていても 身体の真ん中に大事に大切にあかちゃんを抱えている後輩のほうが輝いてみえた そんな日曜日

          ティファニーより

          愛の豚汁

          私は在宅で残業、夫は出勤だけど早上がりの日 予定よりも30分以上終わるのが遅くなった私 夫はリビングでハイボールを飲んでニュースを見ていた 時間にして18:30過ぎ ご飯炊いておいてくれたら、嬉しかったなあと思いつつ、急いでお夕飯の支度に取り掛かる なんでも言ってね!手伝うから!と言われたが ふむ、何を手伝ってもらうか、わからず、、そのまま一人でお夕飯の支度をする 今日は豚汁を作る予定だった 私の作る豚汁はごぼうをじゅわ〜っとカリカリに揚げてお出汁として作る ねぇ、

          つめ

          爪を切ったあと 生きてるなと感じる 生きてる! 夜には爪切りをしない わたしはそういう言い伝えを結構守る

          東京

          小学生の頃、好きだった漫画があった。 そのヒロインに憧れていた。大人になったらこんな恋愛がしたい、この子みたいに可愛くなりたいと思っていた。その漫画のヒロインは北国から東京に上京した日に、むかしの恋人と東京で再会した。 それから10年ちょっと経ったわたしにはわかる。東京はそんなに狭くないということが。例えば、そのヒロインがむかしの恋人を追いかけて、彼の勤務先を調べて勤務時間帯を調べて、就業時間付近に会社の前で待ち伏せしたら再会するかもしれない。でもそれは恋愛漫画ではなくなる、

          空港勤めの男の人

          渋谷のスペイン坂のちかくのお店で食事をした。ラクレットチーズが有名なお店で、店員さんがチーズを持ってきた時に、写真撮らなくていいの?と聞かれた。 私は写真を撮るよりも、そのまったりとした濃いチーズが溶けてゆでたじゃがいもとかブロッコリーにかかる瞬間を自分の目で見たいと思ったのだ。けれど、彼がそういうから、一応写真を撮っておいた。 映えるねと、笑っていた。 その後私たちはグラスワイン2杯で気持ちよく酔い、渋谷の夜の街を歩いた。人がたくさんいたから離れないように手を繋いで走ったり

          空港勤めの男の人

          春のにおい

          夫を朝6時に寝ぼけながらも送り出し、自分は出勤まで時間があるので二度寝をした。 朝8時25分に目を覚まし、夫からのゴミ出しお願いの連絡が来ていた。 夫は我が家のゴミ出し担当なのだが、今日は忘れていたようだ。 私はまだ時間に余裕があったけど、8時29分にぎりぎりとほとんど強引にお布団に別れを告げ、むくりと起き上がった。 ペットボトルのゴミ袋を手に持って玄関を開け、アパートメントの階段を降りる。 地上に降り立った瞬間、春のにおいがした。 水分を多く含んだやわらかい風。 今日はいい

          春のにおい

          元彼たち.2

          いちばんの友達は3年前に結婚して それから2回ほど会ったけれど  女友達はむかしの男の人たちのように止まってはくれない そのまま、まっすぐに進んでいく いちばんの友達は3年前に結婚して それから二度、会ったけれど 恋の話をして笑ったり お酒をたくさん飲みすぎたりした あの彼女はもういなくなってしまった それは彼女が彼女なりに 精一杯彼女の旦那さんのいい奥さんになっているからで それはそれは友人の立場からしても 微笑ましい限りだけど、とてもさみしい あのときの彼女はもうどこに

          元彼たち

          小さい頃、母にもらった特別なお菓子の缶に ビー玉や貝がらやガラスの化石やアクリルの石などのきらきらとしたものを大切にいれて たまにひとつずつ眺めるのが好きだった 宝物と言われたら 海賊の秘宝のようなそういう宝箱を想像して 私のそれはまさに宝物だった 今でもときどきわたしはそれをする 頭のなかの大事な大事な綺麗な箱から 昔の好きだった人たちを思い出して 勝手に順位なんかつけたりして ときどき1人ずつ思い出して その頃のわたしに思いを馳せて むかしの男たちをすくすくと育てあ