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元彼たち.2

いちばんの友達は3年前に結婚して
それから2回ほど会ったけれど 

女友達はむかしの男の人たちのように止まってはくれない
そのまま、まっすぐに進んでいく
いちばんの友達は3年前に結婚して
それから二度、会ったけれど
恋の話をして笑ったり
お酒をたくさん飲みすぎたりした
あの彼女はもういなくなってしまった
それは彼女が彼女なりに
精一杯彼女の旦那さんのいい奥さんになっているからで
それはそれは友人の立場からしても
微笑ましい限りだけど、とてもさみしい
あのときの彼女はもうどこにもいない
彼女は結婚してから下戸になってしまった

それでも、わたしの世界は
わたしを中心としてまわるので
時間はそのまま進んでいく 

来月わたしは27歳になる
3年お付き合いをしている
穏やかでやさしい彼がいる
いつでもわたしの味方でいてくれる
家族がいる
ばりばり、とはいかなくとも
自分には向いていると思える仕事にもついている 
十分すぎる27歳だ

だけど、この物足りなさ
なにかはっきりとしないもの
に対しての静かな怒り 
突如現れる未来に対する漫然とした不安
これは20代の残りを生きていく
女でしかわかりえない感情であろう

子供の頃
27歳はとても大人に感じた
世間一般的にみても十分に大人だ

例えば、ラペルラの下着を身に纏い
ルイヴィトンのバックを持ち
クリスチャンルブタンの靴を履き
仕事がわたしの生きがいだというように
生きるようにパラフルに働くとか
もしくは、すでに(それはできれば24.5歳の頃)結婚をし
わたしとわたしの愛する人との
かわいい子供を胸に抱いて過ごしていることだろうと
純粋にとかんがえていた

気がつけば、27歳を目前とし
ラペルラの下着はつけておらず
ルイヴィトンのバックも
クリスチャンルブタンの靴も持っていない

結婚もまだで、出産なんてもっとまだだ
未定の未定

それでもわたしはわたしにできる
一日一日をわたしらしく楽しめるように生きていく
そんなわたしのお話です。

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