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元彼たち

小さい頃、母にもらった特別なお菓子の缶に
ビー玉や貝がらやガラスの化石やアクリルの石などのきらきらとしたものを大切にいれて
たまにひとつずつ眺めるのが好きだった
宝物と言われたら
海賊の秘宝のようなそういう宝箱を想像して
私のそれはまさに宝物だった

今でもときどきわたしはそれをする
頭のなかの大事な大事な綺麗な箱から
昔の好きだった人たちを思い出して
勝手に順位なんかつけたりして

ときどき1人ずつ思い出して
その頃のわたしに思いを馳せて

むかしの男たちをすくすくと育てあげてどうするつもりなんだろう?

わたしと同い年となっていたり
わたしがあの人の歳を
追いこしたりするので
まるでわたしのちいさな弟のような
あまくて優しい気持ちになれるのです
姉のような 母親のような

それでも、わたしの世界は
わたしを中心としてまわるので
容赦なく時は過ぎる

来月わたしは27歳になる


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