AMANO Seietsu

憲法学者/宅建士 /国内旅行業務取扱管理者/第二種電気工事士

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最近の記事

憲法58条による除名には裁判で対抗できない

デイリー(10月3日(月)22:52配信)によると、NHK党の党首が、参議院本会議に出席しない議員に対して、憲法58条に基づく除名処分が行われた場合には、「最高裁まで争う」と言っているとか。 なるほど懲罰という不利益を被ったのであれば、裁判所に救済を求めたいと考えるのは当然かもしれない。しかし、裁判所は万能ではない。裁判所も憲法によって作られた権力である以上、他の憲法の規定の意義を失わせるような権力の行使(司法権の行使)をすることはできない。そのような司法権の行使の限界とな

    • 第二種電気工事士(2021年上期)

      筆記試験・この1冊で合格!広川ともきの第2種電気工事士筆記試験(KADOKAWA、 1,800円) ・第二種電気工事士筆記試験計算問題超入門(オーム社、1,500円) ・2021年版第二種電気工事士筆記試験過去問題集(技術評論社、1,880円) 今回は、長く法学を学んできたことが、直接には、まったく役に立たない試験に挑戦しました。もともと興味はあったのですが、ほら、テキストを開くといきなり、オームの法則とか、サイン・コサインとか…ね。高校のときは生物と化学を選択したので、物

      • 第38回知的財産管理技能検定2021.3.7

        結果学科37/40問、実技39/40問(速報) 費用①知的財産管理技能検定2級公式テキスト[改訂10版] 4600円(税別) ②アップロード 知的財産管理技能検定2級厳選過去問題集 2640円 ③早稲田経営出版 知的財産管理技能検定(R) 2級学科スピード問題集 1800円(税別) ④早稲田経営出版 知的財産管理技能検定(R) 2級実技スピード問題集 1600円(税別) ⑤アップロード 2級完全マスター改訂6版(1)特許法・実用新案法 2000円(税別) ⑥アップロード 2

        • 知的財産管理技能検定3級【実技】

          結果30/30問(確定) 費用 ・知的財産管理技能検定3級公式テキスト[改訂11版] 3300円 ・アップロード 知的財産管理技能検定3級厳選過去問題集 2200円 ・TAC 知的財産管理技能検定(R) 3級学科スピード問題集 1540円 ・TAC 知的財産管理技能検定(R) 3級実技スピード問題集 1540円 ・検定料 5860円 所感 学科試験から2年超、学科試験免除期限が切れるギリギリで受験。この間、法改正があったので、試験勉強は学科からやり直し。合格するだけなら毎

          知的財産管理技能検定3級【学科】

          結果 26/30問(速報) 費用 ・技術評論社「らくらく突破 3級 合格教本」2380円+税 ・アップロード「3級 厳選過去問題集」2160円(税込」 ・検定料5860円 時間 法学の基礎知識があるので、知財関連法規の知識がなくても2週間くらい。基礎からやると3ヶ月くらい。毎日少しの時間を使えば十分。休日に3時間くらい使って過去問を周回。 「実技」は間に合わないかと思って未受験。

          知的財産管理技能検定3級【学科】

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(5)

          3知る権利について 最高裁は、「放送は、憲法21条が規定する表現の自由の保障の下で、国民の知る権利を実質的に充足し、健全な民主主義の発達に寄与するものとして、国民に広く普及されるべきものである。」とした上で、どのような放送制度を採用するのかは立法裁量であり、公共放送事業者と民間放送事業者との二本立て体制を採用した以上、このような制度の枠を離れて、受信設備を用いて放送を視聴する自由が憲法上保障されていると解することはできないとする。つまり、最高裁は、「NHKの放送を必要とせず民

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(5)

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(4)

          2.2民法414条2項但し書きによる意思表示の可否  最高裁は、契約における意思表示を重視し、NHKが受信機を設置した者に対して、受信契約を申込んだことによって、一定期間の経過の後、自動的に契約が成立するとした高裁判決(東京高裁平成25年10月30日)を否定した。これにより、契約成立時期に関する争いは、一応の解決を見たといえる。しかし、最高裁が支持した民法414条2項但し書き「法律行為を目的とする債務については、裁判をもって債務者の意思表示に代えることができる。」を、一般的に

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(4)

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(3)

          2契約の自由について 契約自由の原則は、憲法上明記されてないが、近代法の前提たる平等を実現するには当然の原則であり、具体的条文を求めるなら憲法13条に含まれる人権である。したがって、その制約は必要最小限度でなければならないことは、憲法学界では自明のことである。勿論、私法の領域において、すでに契約自由の原則は修正されているが、その制約も、人権である限り、憲法の公共の福祉のもと(一般に言われる、「実質的公平の原理」である。)、必要最小限度の制約でなければならない。以下、最高裁の認

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(3)

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(2)

          1.2現行憲法下の放送法制度  最高裁のまとめたところによると、昭和25年に無線電信法が廃止され、放送の受信設備の設置に許可を要しないこととなり、新たに制定された放送法は、わが国の放送事業について、公共の福祉のために、あまねく日本全国において受信できるように放送を行うことを目的とする公共放送事業者によるものと、それ以外の一般放送事業者によるものとの二本立て体制を採ることとし、前者を、旧NHKの財産をそのまま引き継いで同法により設立される特殊法人である日本放送協会(以下、「N

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(2)

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(1)

          1放送法制についての検討 まず、最高裁は、放送法に基づくNHKに係る制度の概要を、放送法施行前後に分けて示している。 1.1大日本帝国憲法下の放送法制度(以下、「旧法下」)  最高裁は、旧法下では、放送を行っていたのはNHKのみであり、無線電信法2条により、放送の受信設備の設置に主務大臣の許可を要し、放送用私設無線電話規則13条により、放送の受信設備の設置許可を受けるためには、許可願書と共に放送施設者に対する聴取契約書を差し出さねばならなかったとし、許可なく無線電話等を設置

          H29.12.6受信料最高裁判決批判(1)

          H29.12.6受信料判決批判(草稿)

          平成26(オ)1130受信契約締結承諾等請求事件(最大判平成29年12月6日) ※まだ、「注」もつけていなし、校正もしていませんが。 事実の概要 本件は、日本放送協会(以下「NHK」)の放送を受信することのできる受信設備を設置していながらNHKとの間でその放送の受信についての契約を締結していない者(以下「被告」または「弁護側」)に対し、受信料の支払等を求める事案である。  放送法に基づくNHKに係る制度の概要、および、被告が、平成18年3月22日以降、その住居に、NHKの

          H29.12.6受信料判決批判(草稿)

          12月6日受信料最高裁判決、その前に

          まもなく受信料をめぐる最高裁判決がでますが、どうも「契約の自由」が争点となっているようで、違憲判決がでる可能性はなさそうです。とりあえず、これまで、下級裁判所がどのような判断をしたのかまとめておきました。ケンポーガクシャが、「精神的自由はー」、「二重の基準論がー」というわりには、裁判所は「合理的理由がある」で処理しちゃうんですよね。 一般社団法人日本教育基準協会のサイトに、『NHK受信料制度 違憲の論理 判例分析編』の製本データを置いておきます。2010年に著した『NHK受

          12月6日受信料最高裁判決、その前に

          日商簿記2級(2017.6)

          成績:合格(92:20-18-14-20-20) 投資金額:8800円と受験料 勉強期間:約3か月の独学(ボールペン1.5本分)。通勤電車内で仕訳(計算なし、勘定科目があっているかだけ。)。休日、過去問など。1か月前からは平日も過去問(苦手分野中心)。 【使用したもの】(順次、買い足し)(1)ネット上にあった仕訳(第1問)の過去問類似 仕訳ができないと話にならないので、せっせと仕訳。3級は問題で与えられたものが、即、解答になったけど、2級は、問題の前提となる仕訳をした

          日商簿記2級(2017.6)

          日商簿記3級(2017.2)

          成績:100点 投資金額:\4830と受験料 勉強期間:約1か月の独学(ボールペン2本分)。通勤電車内で仕訳(計算なし、勘定科目があっているかだけ。)。休日、過去問など。 【使用したもの】(順次、買い足し)(1)ネット上にあった仕訳(第1問)の過去問:100-144回 専門学校等では、慣れてきたら、頭で仕訳して、問題用紙や計算用紙にはT勘定というのが進められていたけど、1仕訳15~20秒で書けば、120分の試験中に第3問と第5問の解答を書き写すことができるくらいの余裕

          日商簿記3級(2017.2)

          国内旅行業務取扱管理者試験(2016)

          自己採点結果:法令100点、約款88点、実務87点 投資金額:\6000程度と受験料 私、法の世界に長くいるので、法令を読み慣れているというメリットはあったものの、旅行業法を読むことはなかったので、覚えることはゼロから始める人と一緒。夏休みがあるため、そこで集中的に勉強する計画。学生であれば、もっと余裕を持って勉強できるはず。 【使用テキスト】(1)観光・旅行教科書 旅行業務取扱管理者【総合・国内】テキスト&問題集第2版(EXAMPRESS) JTBトラベル&ホテルカレ

          国内旅行業務取扱管理者試験(2016)

          表現の自由:自民党憲法案とドイツ基本法

          自民党憲法案では表現の自由が保障されていないと言われていますが、ドイツ基本法と比べてみたらどうですか。どちらがより制限的ですかね? 「表現の自由」が「公益」によって制限されるかのように伝わっているけど、「結社」が制限されるだけだね。ドイツと同じ。 自民党憲法案 第21条(表現の自由)  集会、結社及び言論、出版その他一切の表現の自由は、保障する。  前項の規定にかかわらず、公益及び公の秩序を害することを目的とした活動を行い、並びにそれを目的として結社をすることは、認

          表現の自由:自民党憲法案とドイツ基本法