『死神』

「お疲れさまです。今日のライブも最高でした」
「ありがとう」こいつが、一番長く効いてるな。
「マネージャーなのに、いつ聴いても新鮮です。
すごく心地良くて、いつ死んでもいいくらい。
なーんて。それじゃ、失礼します」
ふぅー。やっと邪魔者がいなくなった。
鏡に映る自分。脱力するほどに姿が変わる。
黒髪は銀髪に。細い目はくっきりとした二重に。
黒眼は赤くなり、耳は尖がり始める。
誰にも見られてはいけない。これが死神の姿。

人間の想像力ほど乏しいものはない。
死神は、鎌を持って布を被っガイコツだと?
笑わせるな。そんなわけないだろう。
お前たちと同じように、この世界で生きている。
仮の姿でな。今は人気絶頂の歌手だ。
俺の歌を聴く者は、無意識に思考を捧げてくる。
そこに、激しい悪意と狂気を植えつける。
すると、感情が昂った時に理性が利かなくなる。
自分を傷つけ、相手を傷つけ、快感を得る。
俺は手を下さない。人間達よ、狂って死ね。

今回のツアーでは、何十万もの人間を支配した。
明日から始まる混乱の世界。楽しみで仕方ない。
出待ちのファン達も、心酔した顔で俺を見る。
愛しいな。これが近いうちに醜くなるのだ。
小さな女の子が、花束を持って駆け寄ってきた。
警備員も跳ね除けまっすぐに来る。変だぞ?
そして勢いよく俺を刺した。死ぬわけがない。
だが、人間じゃない力を感じる。誰だ?
目が合い、観念した。死と逆の位置にいる、神。
「ここまでだ。闇に戻れ。世界の調和を壊すな」


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気まぐれに、少し長く書いてみましたが、
疲れた、、、(T ^ T)
やっぱり、これからも10行でいきますー。


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