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動物園がくれた贈り物〜セロトニンがいっぱい
暑くもなく寒くもなく。柔らかな日差しのもと、気持ちの良い風が吹く。そんな「行楽日和」という言葉がピッタリの動物園を歩いていると、知らず知らずに元気になれる。
こんな穏やかな時間を過ごせること。それは、とても贅沢なことで。その瞬間瞬間の、小さな幸せをかみしめる毎日。
こんなふうに、平凡な日々の中で「幸せだな」と感じることなんて、もうずっと長いことなかった気がする。生きていくことは、楽しいことより、辛いことや苦しいことの方がずっとずっと多かったから。
退職してからも、しばらくは精神的に不安定な時期があった。それは、将来への漠然とした不安や思った以上に貯金が減っていくことへの焦燥感や虫や自然災害への恐怖などなど。仕事でのストレスはなくなっても、次々に新しい不安はやってきた。
思えば、昔からそうだったような気がする。まるで、不安を探すのが趣味であるかのように。次から次へと様々なことを心配しながら生きてきた。これは、私の幼い頃からの、余計な空想癖が元凶なのだとは思うけれど。
そうやって自分で勝手に作っては増幅させてきた心配事が、今は「全くない」とまでは言えないまでも。本当に心が落ち着いてきている。ほんの小さなできことであっても純粋に「楽しいな」と感じられる。
その原因は何だろう。
何が変わったのだろう。
今より少しは経済的に楽になるであろう、年金が入ってくる年が近づき「そこまで耐え忍べばなんとかなるかも」というゴールが見えてきたこともあるだろうけれど。なんと言っても大きいのは「幸せホルモン」と言われるセロトニンの影響ではないだろうか。
そういう意味でZOO活の果たす役割は大きい。
動物園の中を歩くだけで、大量のセロトニンが作られているのは間違いない。改めて考えてみても、動物園というところは、セロトニンが作られる条件が揃いすぎている。
①運動
やはり、運動は大切。動物園の中をウォーキングすることで、リズム運動によるセロトニンの活性化が期待できる。
②日光
ウォーキングをすることで、自然と日光を浴びることにもなり、日光によるリラックス効果も。
③森林浴
動物園の中は、緑もいっぱい。森林浴と同じようにセロトニンの血中濃度が上昇し、ポジティブな気持ちになる効果も期待できる。
④動物
これは、言うまでもなく癒し。触れ合うことはできなくても、見ているだけでも「安らぎホルモン」オキシトシンが作られる。
このように、ZOO活はまさに「幸せホルモン」を増やすのための活動とも言える。うん。マジで楽しいから。
現役で働いていていた頃も、今ほどではないにしても、それなりにセロトニンが作られる環境にいたはずなのだ。
運動量もそれなりにあり、年間を通じて相当量の日光を浴びる仕事でもあった。好きでやっていたわけではないが、自然の中で過ごす時間だってあった。家では長い間猫を飼っていて、癒されてもいた。にもかわらず。常にセロトニンが不足している状態だったと思う。
それは、たぶん。ストレス>>セロトニンだったからだろう。日々たまっていくストレスの量が生成されるセロトニンの量をはるかに上回っていたに違いない。
今は、自分で勝手に心配事を作り出さない限りは、特に大きなストレスはない。常に追いつめられていた仕事のストレスも面倒な人間関係のストレスもなくなった。そう。あとは、自分で心配事を作らなければいいだけの話だ。
心配事を探す代わりに、小さな幸せを数えていこう。なんとなくそんな風に考えるようになった。これも日々大量に作られる「幸せホルモン」の力かもしれない。
ウォーキングによる健康増進を主な目的として始めた動物園通いであるが。今や私の生活には欠かせないものとなっている。
行ける時間が限定されていた猛暑の時期は、つらかった。これからは、逆に寒さとの闘いが待っているのかもしれないが。寒さを我慢すればいいだけの話で。真夏の熱中症のような命の危険がないだけマシかもしれない。
私が、これほど飽きずに動物園に通えるのは、「推し」の力も大きい。「あの子」にロックオンさせた私の一目惚れ体質も、こうして役に立つこともある。
今まで経験したことがなかった「毎日が楽しい」と感じられる幸せ。こんな風に、動物園は、私にたくさんの贈り物をくれる。
だから。今日も私は「あの子」に会いに行く。幸せホルモンに後押しされながら。今日もまたごくごく平凡な生活の中から、小さな幸せを見つけてみよう。