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多指症。2022年10月に東京大学の研究チームが、人の指が5本になる理由を解明。

こんにちは、翼祈(たすき)です。

多指症とは、指の数が正常より多い状態を指します。 小さないぼの様に突出しているタイプから、過剰な指が完全な指の形をしているタイプなど色んなタイプがあります。 手足の生まれつきある病気の中で最も発症の頻度が多く、手では母指多指症という病気で、母指に多く見られます。

多指症は、赤ちゃんがお母さんの子宮の中にいる時に、指が発生する際に異常を起こしたことが原因で発症します。 指は、1本の棒のような形をしたものが、段々くびれたり裂けたりすることで形成されていきますが、この成長過程での異常が発生することで多指症を発症します。

手では1000人に1~2人、足で2000人に1〜2人の割合で発症すると言われています。

2022年に多指症になる原因が東京大学の研究チームによって、解明されました。今回はその多指症になる原因の解明のデータについて、お話します。

人間が多指症になる原因とは?

人間などほとんどの哺乳類の指は5本です。哺乳類の指はどうして5本になるのでしょうか?

東京大学大学院医学系研究科の廣川信隆名誉教授らの研究チームが明らかにしました。

手足のベースとなる身体の組織内で細胞を増殖する「SHH」というたんぱく質の濃度の濃淡(濃度勾配)の有る無しが関連しているとします。

ほとんどの哺乳類は5本指の構造をしていますが、進化の過程で環境に適応させて指の本数や形を変換させてきました。「SHH」はがんの形成や組織の再生にも関わる重要なたんぱく質です。赤ちゃんがお母さんのお腹の中にいる時、指などの器官が出来上がる時に「SHH」が細胞の分化や増殖、四肢の発生を促進することが理解されています。

濃度勾配とはある一定の領域内でたんぱく質の濃度の濃淡があることで、濃度の違う部分があると「濃度勾配が発生した」と言い表わせます。細胞内、組織内の「SHH」のたんぱく質の濃度勾配は器官が身体にできる過程で重要な役割を果たすと推定されながらも、濃度勾配がどの様に起こるかまでは解明されていませんでした。

廣川名誉教授らの研究チームは、身体の細胞内で物質を輸送する重要な機能「分子モーター」と呼ばれるたんぱく質の1つで、「SHH」の蓄積に関わる「KIF3B」に注目しました。

廣川名誉教授らの研究チームは「KIF3B」が機能しない様に促進したマウスの胚を合成しました。すると、四肢の親指の近くにもう1本の指が出現し、四肢の指が6本のマウスが産まれました。廣川名誉教授らの研究チームは、指の本数に影響を与えたと推定される、このマウスを使用し、「SHH」と「KIF3B」の関係性を分析しました。

そして、正常なマウスは手足のベースになる「体肢芽」と呼ばれる身体の組織の中で「SHH」が蓄積する部分があり、その部分が違うことで、「SHH」の濃淡が現れました。その結果、濃度勾配が起こりました。ですが、「KIF3B」が機能しない様に促進したマウスは、「SHH」が「体肢芽」全域に拡散し、濃度勾配のバランスが崩れていることを染色画像で可視化して確認が取れました。

また、「KIF3B」が「SHH」を機能させる、「Talpid3たんぱく質」という別のたんぱく質を細胞の周縁部に輸送していることも明らかとなりました。「KIF3B」が機能していないマウスは「Talpid3たんぱく質」を輸送できないことで、「SHH」の濃度勾配が維持できずに多指症を発症したことが解明されました。

画像引用・参考:指が5本になる謎を東大グループが解明 細胞を増殖させるタンパク質が関係 サイエンスポータル(2022年)

今回、「指はどうして5本になるのか」という謎を明らかにする複雑な仕組みが解明されました。

今回の研究データに関して東京大学大学院医学系研究科の廣川名誉教授らは、「SHH」の濃度勾配を世界初となる可視化できたことが大きな成果だといいます。また、「SHH」はがんの悪化や組織の再生にも関与していて、「SHH」や「KIF3B」が機能する仕組みは人間も持っていることで、新しい抗がん剤の開発や再生医療の研究の発展にも応用可能と期待を込めます。

多指症については知っていました。

私は今から約11年前に、[清須会議]という映画を観ました。一般試写会で、三谷幸喜監督と役所広司さんがサプライズで登壇されて、その時三谷監督が、「豊臣秀吉には指が6本あったという史実があって、この映画に関しては右手の親指が2本ある」と言われてました。

映画を観ると、大泉洋さん演じる豊臣秀吉は確かに指が6本で、それを隠すために、手袋を着けていました。

それから11年が経って、ライターとして多指症に関して書いているとは、何とも考え深いです。今回の研究で、まだ余り情報のない多指症に関して、さらに研究が進んでいくことでしょうね。

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