『但馬とらふぐ』。脱サラをした男性が、兵庫県で新ブランド養殖!苦節2年。
こんにちは、翼祈(たすき)です。
皆さんは、フグを食べたことがありますか?私は恐らくないです。
「フグは高級食材」という話と、自分の中でフグといえば、スーパーなどで、他の魚を販売している時に、フグが誤って混じって販売されていて、販売したお店が、「猛毒のあるフグを、間違って食べないで」と注意喚起と、書いている記事がたまにあるイメージです。
それ以外だと、「フグは捌ける免許を持たないと捌いてはいけない魚で、釣りなどで捕れて、一般の人が捌いたら猛毒に当たって、病院に運ばれる人が多々いる」という、話もあって、そのイメージが強いです。
この記事でもフグの話題で、2024年6月から兵庫県の新ブランドとして養殖がされている、『但馬とらふぐ』となります。
兵庫県朝来市和田山町にある旧幼稚園に設けられた水槽で養殖が進められてきた『但馬とらふぐ』の販売が2024年6月からスタートしました。神戸市出身の中村峻さんが脱サラし、『但馬とらふぐ』の事業に着手してから2年が経過しました。
一時は稚魚が全て死んでしまうトラブルにも見舞われましたが、「ようやく出荷できるサイズに育ちました」と喜びました。
今回は、脱サラをして養殖して販売するまでに至った、一人の男性に賭ける『但馬とらふぐ』への想いについて紹介します。
『但馬とらふぐ』が養殖できるまでに漕ぎ着けた道のり
中村さんは大手精密機器メーカーの元社員でした。会社員時代に岐阜県の「飛騨とらふぐ」などの先行例があるトラフグの陸上養殖に着目しました。フグの本場・大阪に近く、起業支援などもある朝来市での事業を始めることを計画しました。
朝来市から助成を受け、2022年6月に旧幼稚園の園舎を借りて、水温の管理システムや水槽(直径4.5~5m)トータル6基などを設けました。2022年8月に稚魚2400匹の養殖を始めました。当初は2023年にも出荷をスタートさせる計画でいましたが、人工海水の水質管理が不十分だったことで、2022年内に稚魚が全滅してしまいました。
浄化装置に改良を加えて、2023年2月に再挑戦し、その後も試行錯誤の日々が続きましたが、2024年に入って出荷に適した800g、体長30cmに達する『但馬とらふぐ』が育つ様になりました。そのことで、2024年6月から旅館などに試験的に販売をスタートし、2024年は年間1000匹を目標に本格販売したいとします。
中村さんは、「ようやくスタートラインに立てました。餌や水質管理などをさらに改良を重ね、『但馬とらふぐ』の安定供給できるように努力し、新しいブランドとして確立したいです」と述べました。
2024年6月5日、朝来市の宿泊施設「竹田町家寺子屋 はな亭」で、『但馬とらふぐ』の試食会が開催され、城崎、湯村温泉の旅館関係者などを招待し、刺し身や天ぷら、鍋料理、てっさなどが披露され、フグを調理する資格を持った料理人が新鮮なトラフグを捌くなどして提供し、出席者は飼育の環境などに関して、中村さんに質問をしながら、味わっていました。
中村さんは、この朝来市で養殖する『但馬とらふぐ』は環境の変化の影響を受けにくいことで、季節を問わず出荷できるとPRした上で、今後『但馬とらふぐ』の名前でブランド化が目標だと意気込みを語り、
「水温を一定に維持することで、四季を通じて食味が安定しています」と説明しました。参加者は「歯ごたえがあって味がしっかりしている」「山で育ったとは思えない」と話し、大好評でした。
参考サイト
脱サラ男性、旧幼稚園の水槽でトラフグ養殖…起業支援受け2年で販売こぎつけ 読売新聞(2024年)
海のない朝来市で養殖 トラフグの試食会 ”新名物に” 兵庫県 NEWS WEB(2024年)
試食した湯村温泉の旅館の料理人は、「『但馬とらふぐ』は、歯ごたえもよくとても美味しいです。但馬地域は、但馬牛と松葉がにが有名ですが、『但馬とらふぐ』が加わると、さらに地域の魅力アップに至ると思います」と述べました。
旅館「朝野家」の調理長は、「従来の但馬の名物に加え、『但馬とらふぐ』でお客様を喜ばせることができます」と語りました。
また城崎温泉で旅館を経営している人は、「本格的な日本料理を好む外国人観光客も多く、てっさなど、フグ料理はすぐに人気に火が付くと思います。早速旅館の一品として取り入れたいです」と述べました。
調理をした料理人は「包丁を入れても、天然物と遜色ない身の締まりで、いかに質が良いかが伝わりました。季節を通して味わえるのも大きな魅力的ではないでしょうか」と説明しました。
中村さんは「朝来市の新名物として浸透できる様に、多くの人に食べて頂きたいです」と述べました。
『但馬とらふぐ』のお問い合わせは、中村さん(090-1716-5013)まで。
母とフグ
母は出席した友人の結婚式で、フグが出てきたことがあると言っていました。
それとは別に仕事での食事会で、フグの刺身が出て来て、「わぁー、フグだー。美味しいね」と言って、食べたと言っていました。
しかし暫く食べ続けてから、「あのフグはフグではなく、こんにゃくの刺身だった」と聞いたらしく、非常にがっかりしたそうです。
母の話では、それ以降もフグに似せて盛り付けされた、こんにゃくの刺身が、職場の食事会の席で出ることがあったと言っていました。
そういう話を聞くと、「フグって取り扱うのに特別な免許がいるし、そう簡単には食べることができないよね」と思いました。
この記事の『但馬とらふぐ』は、兵庫県でも海のない朝来市で養殖され、新ブランドとして販売の始まった、まだスタートラインに立って間もないフグとなります。
『但馬とらふぐ』もフグだけに高そうですが、新ブランドということと、これからどんどん知名度も上がって来ると思います。
この『但馬とらふぐ』で、日本の水産業がもっと活発になります様にー。