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「ぴえん」という病 SNS世代の消費と承認 を読んでおもったことを赤裸々に書いてみる

偉そうですが「自分のことだけでなく、人々の生きづらさについて知りたい」そう勝手ながら思い、社会学に興味を持ち、こちらの本を読んでみました。

この本は、主に東京・歌舞伎町での社会問題について、丁寧に調査された上で書かれた本です。
まだ『第五章 ホストに狂う「ぴえん」たち』のところまでしか読めていませんが、それでも十分、歌舞伎町に生きる人々の生きづらさがひしひしと伝わってきました。

私は歌舞伎町どころか、東京にも行ったことがないので、この本に書いてあることは、ほとんど知らないこと、知らない世界観でした。

ただ、私は田舎育ちですので、歌舞伎町や東京の価値観と自分が住んでいるところの価値観があまりにもかけ離れており、正直、ところどころ、出てくる人々の「生きづらさの感覚」がよく理解できないな、と混乱を感じるところもありました。
これは作者の書き方を批判しているわけでも、ましてや歌舞伎町や東京に住んでいる人の生きづらさを否定しているわけではないです。

例えばですが、歌舞伎町だけでなく、東京にいる人々は「推し」の存在がわりかし手の届く範囲にあるのだな、という点に改めてこの本を通じて気付かされたところがありました。
でも、同時に、そんなに手の届くところに推しがいるのか!!と驚きました。
自分の住んでいる場所は東京や、または都市部からはるばる離れたところですので、なかなか「推し」には会えません。(たまには会えるかもですが)
でも、東京にいる若者たちは「推し」と、金銭を介してですが、気軽に会うことができる。
そこが私の住んでいるところと、東京や歌舞伎町の大きな違いだと思いました。
「推し」に会うことができる、喋ることができる、ハグしてもらえる...。
そのためにお金を使う。
その上で発生する、お金を払うことの苦しみ、「他の人にはあれだけ推しが時間を割いているのに自分には全然連絡さえしないじゃないか」という嫉妬、会ってしまったからこそ感じる会えない寂しさ、振り向いてくれないという辛さ...。

つまり、
『「推し」に、会えることができるからこそ生まれるしんどさ。』

この感覚にいまいち田舎に住んでいる私はついていけなかった。

ただただ自分のいる世界とこの点で抱える感覚が違いすぎて、その人たちの考えていることや傷が、あまり理解できなかったのです。

もちろん、東京、歌舞伎町に住んでいる人の生きづらさは『「推し」に、会えることができるからこそ生まれるしんどさ。』なんて、そんな簡単な言葉では片付けてはいけないと思います。
ですが、田舎住みの私にはまず最初にそこの「価値観差」にぶつかりました。

でも、これからもっと読みこんで、もっと、自分とは違う立場、世代、地域の人々の抱える問題をも直視したいと思います。自分にできるかはわからないけどやってみたい。
こういう時に「想像力」って大事なんだなと思います。

非常に丁寧で緻密な調査の上で書かれた本です。
このような大作を、わずか21歳という若さで書かれた佐々木チワワさんは本当にすごいなあと心から思いました。

ところどころ、精神的にしんどい場面もあるので、フラッシュバックを抱えてある方などには、あまりおすすめできないけれど、Kindle Unlimitedで0円で読めるので、よかったら手に取ってみてほしいです。

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TANOSHIKA 𝕡𝕚𝕒𝕤𝕦
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