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教えない塾講師の研究ノート

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個別指導×自立学習のスタイルを研究するノートです。 備忘録として考えたことをなんとなく書いてます。
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記事一覧

複雑なものを複雑なままに

複雑なものを複雑なままに

学習は複雑だ。

昔から、指導とはこういうものだと信じられているモデルとして

・指導者がわかりやすく教える
・指導者が宿題など、適切な学習の指示を出す
・指導者が学習の進捗を管理し、サボっている生徒がいれば指摘する

みたいな管理型の指導モデルがある。

でも、当たり前だけど、学習とはそんな単純なものではない。

同じ授業を受けても
同じだけの課題量をこなしても
習得度合いは全然ちがう。
自習室

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【高校英語】文法空所補充問題をどう指導するか

【高校英語】文法空所補充問題をどう指導するか

「これは何の問題だっけ?」最近社会人の指導をしていてものすごい示唆をもらった。

という視点だ。

書いてみると当たり前なんだが、実はこれはめちゃくちゃ重要で、ものすごく深い。

どんな科目であれ、勉強する(つまりインプットする)時は一つずつしかできない。
その「一つずつ」が集積して、大きな知識のカタマリをつくる。

試験問題というのは基本的にその知識の一つを問うものなので、問題を解く時には自分の

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【中3数学】展開をどう指導するか

【中3数学】展開をどう指導するか

新学期の喧騒も少し落ち着いてきた。

新学期は色々とザワザワするので、それと反比例するように学校の学習内容とペースは穏やかになることが多い。

生徒たちは新クラスの良し悪しやら、どの部活に入ったやら、選択科目の抽選に漏れたやら、新生活の一喜一憂を報告してくれるが

僕としてはこの時期は結構ヒマで、ゆっくり時間が流れる感じが割と好きだったりする。

で、この時期に中3は数学で「展開」という単元をやっ

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『漣の王国』とジハード

『漣の王国』とジハード

『漣の王国』という本が面白い。

「ミステリなのか純文なのかよくわからない系」という僕が一番好きなジャンルだ。

特に文章が綺麗だ。
「美しい日本語」ってこういうことだなって思う本だ。

で、この本の中に「ジハード」という言葉が出てきた。

僕はジハードって「聖戦」って訳されるのだと思っていて

「あぁ、ジハードってあれでしょ?聖戦でしょ?宗教戦争てきなヤツでしょ?物騒な話だぜ」

ぐらいのいい加

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学習法を伝えるということ

学習法を伝えるということ

指導の向上に行き詰まってくると、いつも駆られる誘惑がある。

それは

学習法を言葉で伝える

ということ。

「正しい学習法はこうだよ」
ということを文章としてまとめて、生徒に渡す。

あるいは学習法の授業とでも銘打って60分ぐらいで守るべき主原則ぐらい網羅的に教えてしまう。

それは何度もトライして、その度に無意味さを痛感してきたことだ。

世の中には学習法の本がたくさんある。
ウェブサイトも

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宿題は出さなければいけないか?

僕は、父が随分アメリカナイズされた人間だったせいか、かなり思考が欧米人に近い気がする。
個人主義というか、権利と交渉という考え方をベースにしている。
別の言い方をすれば「立場」という概念にほとんど興味がない。

先日卒塾生が遊びに来てくれた。
転職の報告だという。
そこでちょっとした昔話になった。

その生徒が
「昔、先生(僕のこと)に言われて、夏休みの宿題を変えてくれって高校の職員室に言いに行っ

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