- 運営しているクリエイター
2020年4月の記事一覧
ほぼ毎日なにか書く0428
やっぱりテキストを書く者と、それを読む俳優と、それを聞く人と、その三位一体がおもしろいな、と10年遅れて気づきつつある。演劇大学にいたときにそのことに最も触れていたはずなのに、あの頃は骨よりも肉やアクセサリーに夢中だった。肉やアクセサリーの延長線上にいまの地域計画があるのでそれはまた別の骨まで到達したんだろうけれど。
俳優の仕事、ないし上演という行為は時間のコントロールだなぁ、なんてことも今更思
ほぼ毎日なにか書く0427
まだぬくい芋を指折り数え歌 地から天へと雨忙しなく
ほぼ毎日なにか書く0425
たくさんの配信演劇に触発されたわけではないのだけど、家にじっと一人でいることを扱った上演ができないかな、と考えている。一昨日書いたことの続き。
家にいること、というより、家という器とその中身の話に興味がある。二年前に祖父が倒れて入院したときに、家から音がなくなったことが印象に残っている。人間はそこにいるだけで音を立てているし、自然の音も人間が知覚するから初めて存在しているとも思う。ここ最近は家の
ほぼ毎日なにか書く0423
非常時の議論は平時の議論に接続が可能である、という話を読んだ。それは震災、具体的には阪神淡路とその後、そして3.11とその後というタイムラインで日本の文化政策の変化をふりかえるという趣旨のものだったのだけど、本題以上に文化政策を災害という非日常と日常の幅の中で見ていくということがけっこう面白かった。災害は、社会の構造を少しずつ組み直していく。正確には災害に対応する中で人間自身が新しいことをはじめた
もっとみるほぼ毎日なにか書く0420
一ヶ月前のことがはるか昔のように感じる。まるではじめからこうだったかのように、目まぐるしく変わる中で「いま」がすり変わっていく。わたしたちは忘れやすい、というか長いこと同じようにいることができない。特に何事かが自分の中に定着する前に新しいことが起きるようだと。今回の事態をクライシスだと見たときには、いつがピークだったんだろうか。
ことばを残すことがこんなに大事だったことはない。わたしたちがいかに
ほぼ毎日なにか書く0419
・非常時は平時と地続き、であるならいまこの地平から見える平時とは?
・わたしたちはみんな「忘れる」。忘れたことすら忘れる。だけどいまは1日1日忘れないほうがいい。忘れないための方法がいる。
・はからずも「被災・復興」のスキームの中に取り込まれてしまった。この状況に応答しつつ、この状況よりももっと射程の長いトピックを掘っていくにはどうしたらよいだろう。
ほぼ毎日なにか書く0417
「いま、東京でつくる」ということに関して浮かぶいくつかのこと。
東京がまた、かたちを変え始めている。物理的空間としての東京は人々の夢や期待や祈りや呪いをのせて、物体では捉えきれない動的な存在だった。東京はこの場所のこと=名詞でもあり、動詞のことでもあったように思う。いや、形容詞でもあったかもしれない。でもそれは、人が空間をつかうという大前提にたっていた。コンクリートと青空のあいだに東京はあった。
ほぼ毎日なにか書く0416
時間について考えている。
時間の使い方が思考をつくる。当たり前だけど。空間というか、作業というかは、固有の時間の質をもっていて(あるいはじぶんのからだに対応が埋め込まれていて)、特定の時間とばかり触れ合っていると思考の弾力がなくなっていくように感じる。漫然と時間が続いていくような感覚がある。朝がきて、夜が来て、また朝がきて、これが永遠に続くように錯覚する。家にいる5分と、外を歩く5分の質の違いの
ほぼ毎日なにか書く0414
4日も空いてしまった。毎日、家の論文や本の棚卸しのような作業と、文字起こしのアルバイトと、オンラインミーティングをしているとあっという間に夜になる。今もこうして。
オンラインミーティングがいよいよ市民権を得てきた。しかもビデオ付きで。会話だけでなく、自分の正面の顔と家の壁を映して相手に伝えるということが当たり前になってきた。少し前だとビデオも使って話すのは、気心知れた特定の人か、そうでなければち
ほぼ毎日なにか書く0410
なんだか妙に忙しく、時間を食い荒らされているようで、落ち着いてものを考えたり書いたりできずにいる。かなしいことに貧しい状態だ。
この書く作業ももう10日目ということに驚く。時間は本当にあっという間に過ぎていってしまう。
今日は特に何も書けない。小池さんの会見で話されたことが漏れ聞こえてきて、ただ苦しくなる。善良な顔をしたひとびとにより生命は選別される。
ほぼ毎日なにか書く0409
最悪の中を生きている。
4月7日の国の緊急事態宣言。この2週間で押さえ込みますといった翌日に、「事業者への自粛要請の2週間程度の保留」。じゃあ緊急事態宣言ってなんだったのか。速やかに店をクローズにした人たち、公演を取りやめにした人たちはなんだったのか。全く筋が通っていない、と思うのは生活者の視点から見た「筋」(例えば死者は少ない方がいいとか)が国にもあると思っているからで、彼らの視点に立つと「国
ほぼ毎日なにか書く0407
書くということについて。思いついた言葉を呟くようにして書いていくことですくわれる瞬間もあるけど、一年後に読んだときに寄りかかれるのは、絞り出すようにして書いた文章だ。だから、自己と向き合って筆を持てないときは、書いても仕方ない。それは書く以前の作業中。いまです。
おやすみなさい。
ほぼ毎日なにか書く0406
知らない国に来たみたいだ。
まちで出会うのは知らない人ばかり、知っている人はみんな画面の向こうにいる。
この場所をもう一度知っている場所にするには、何ができるんだろう。
ほぼ毎日なにか書く0405
川口智子さん演出のコンテンポラリー・パンク・オペラ『4.48 PSYCHOSIS』。3月下旬に渋谷で上演されたものの新型コロナの状況により来場できない観客のために用意された応援チケットというシステムで、上演映像を見た。よかった。
「4.48 phycosis」は英国劇作家サラ・ケインの遺作で、精神病棟に入院する患者の内的世界を描いたものと言われている。
この上演では全編通して戯曲を歌われるテクス