147. 南へ(2)
あれよあれよという間に外は灼熱の世界となり、外出が困難を極めるようになってしまった。早寝早起きし、玄米を炊き、お味噌汁や麻婆茄子、ゴーヤーチャンプルーなどを作って一人で全てを平らげる。おやつにはスイカもしくは桃。あかつきよりも硬い、おどろきという品種の桃を農家さんに頼み、晩夏に届くのを心待ちにしている。夏の終わりまでは頑張りたい。才覚の代わりに食い意地だけがある太宰治になった。買ってから1年間インテリアとして熟成させた電子ピアノを弾いたり、筋トレをしたり、仕事の本を読んだり