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Kanaco
2023年9月20日 20:26
『建築家、走る』ー隈研吾業界に精通してなくても知る人ぞ知る巨匠隈研吾。建築を通して見る世界の歴史、歴史に基づいて出来る国風。その土地でしか表せないものを、彼の鋭感と熱量で唯一無二の形に残す。この過程を、建築に詳しくない読者でもわかりやすく、ウィットに富んだ文章で書き上げている。一つの建物が出来るまでの努力や苦難を理解してほしいことを伝えたいのではない。建物と永久的に共存する我々は、多
2022年2月1日 23:13
エッセイを読んでからファンになった朝井リョウさんの『どうしても生きてる』。人間味が溢れすぎていて読むのが億劫になる瞬間もあったけれど、後半にかけて止まらなくなっていた。かっこよくて整った「らしさ」を捨て、生きていく上でそびえる壁に向き合う登場人物たち。壁という表現よりも、穴のほうが適しているかもしれない。全部で6編、中でも女性目線で書かれているページがリアルで印象的だった。
2022年1月16日 21:54
ひさびさに夢中になった本、『流浪の月』。映画でやるみたいだから読んでみて、と母親がおすすめしてくれた。本のレビュー、感想文を書くのは苦手で。でも短いながらも本作について、自分のためにも記録したい。映画化されていなくても、こんなひとがいいな、と勝手に俳優や女優をキャスティングして本を読むことが多い。たとえ映画化されていても、まったく別のひとを当てはめるし。本作は広瀬すずと松坂桃李が