ホンダ

海と絵と本と甘いものが好き。海辺に家を持ちたい。できたら小さい喫茶店をしたい。先日仕事を辞めて、少しのんびりしています。小さい島から都会へやってきました。

ホンダ

海と絵と本と甘いものが好き。海辺に家を持ちたい。できたら小さい喫茶店をしたい。先日仕事を辞めて、少しのんびりしています。小さい島から都会へやってきました。

最近の記事

徒然 #13

わたしは秋生まれだけれども、なんとなく物悲しいこの季節が得意ではないのです。 陽が短くなって夜が長いからかなぁ。宵っぱりだけど。 『あ、夏終わるな』 っていうそれに、すごく敏感。 もうこれは夏の雲じゃないな、とか 匂いが秋になったな、とか。 だけどもだけど。 冷たい素麺に少し薄ら寒さを感じたあたりから、芋栗南京が最高潮のほっこり具合で食卓を秋めかせる。サンマを丸ごと焼いたりしたら完璧。サンマは内臓が美味い、苦美味い。 余談だけど、苦味を美味しく感じるのは、舌にある味

    • 輓近の其 #03

      部屋の散らかり方が異常。 月末この部屋を出ることにしたことが理由だけれど、あまりにも片付かなすぎる。 ここに来る時は知り合いのハイエースに荷物をどっさり積んでやってきた。 帰りも同じようにするつもりだったけれど、車の持ち主が体を壊してしまってそうもいかなくなった。 ので、荷物をなるだけ減らして送ってしまおうと考えた。 が。 わたしは収集癖もあるし、どうしたって現物主義なのだ。本は紙で読みたいし、音楽も好きなものに関してはCDが欲しい。文房具もこだわりがある。 ものを作るこ

      • 徒然 #12

        夢の中で夢だと気がつくとき、いつもほっぺをつねって痛くないことを確認する。 何かに追われている最中でも、断崖絶壁に立たされていても、夢なのだと分かった時点で全てを放棄する。 そしてそのあと少しして、目が覚める。 わたしは常々思う、 『夢だと気がついた』、ここからの夢をもっともっと楽しみたい!!!!!! だって、もう無敵状態、キラキラスター状態! 失敗しようがバカにされようが好かれようが嫌われようが、まるで関係ないのだ。取るに足らないどーでもいい。 なぜなら全部、夢だ

        • 徒然 #11

          人付き合いが悪い。(いきなり) 無駄な(失礼!)人間関係を作るのが嫌で、気乗りしないお誘いは基本的に断ることにしている。 関西の育ちなので、こういう時に至極便利な言葉を、わたしは知っている。 『あー、それ行けたら行くわ!』 これはねほんとうに、来ません。笑 2.3回断ると、相手もそれを察してくれるのか、誘われなくなってくる。 そりゃそう。やりかたがコスい。 以前、↑この記事に書いた、 関わる人との関係性にラベルが欲しいという話。 ラベル以上の付き合いを極力したくな

          輓近の其 #02

          実家に戻ってきて3日目。 刻々と変わっていく街の様子を把握するのには不充分で、何かとルールが多いこの家の仕組みを思い出すのには十二分。 24、5まで一緒に暮らしていたなんて信じがたい。それとも2人になってから余計に2人のルールが増えたんだろうか。何か動けば一言添えられる、いまのわたしの性格に起因する事象が多すぎる。 この2人を客観的に見続けることでしか、わたしはここで正気でいられない気がする。 この3日間連続公演・悲喜劇『おやこ』の娘役を演じるにあたり、この家に辿り着くま

          輓近の其 #02

          輓近の其 #01

          外に出たらスイカの匂いがした。 小雨が少しあるけれども気にならない程度。 ゴミを捨ててから1本だけ、と思って巻いたタバコを家の前でふかす、が真上には人の部屋の窓があるので自分の部屋の窓の下でこっそりと火をつける。 いつもと味が違う、これは明らかに調子が悪い。 隣には2年前に実家から連れてきたアボカドの鉢植えがある。 思いのほか大きくなったので、島を出るときにはこの家の猫の額ほどの花壇に地植えして行こうと思う。 この話を先日アボカドに聞かせたところ、その日からめっきり元気がな

          輓近の其 #01

          徒然 #10

          『コレも食べなさい、アレも食べなさい』 実家や、田舎の祖父母の家に行くと、毎回の食事でだいたいコレだ。 わかっている、作ったものや用意したものをいっぱい食べてもらえると、とっても嬉しいということ。 なぜならこれをやりがいに、わたしは十数年間、料理を提供することを仕事にしてきたのだから。 と、たぶん『食べること』は人である以上やめられないからさ、わかりやすく確実に可愛がる方法が、美味しい食事をたらふく食べさせる、しかないんだと思うのね(至極失礼!!!)。 小学2年生の夏休

          徒然 #09

          昔から、物を集めることが好きだなと思う。 石、ペットボトルのキャップ、校庭にしばしば転がっている縄跳びの切れ端、ビー玉、おはじき、BB弾、魚柄のグッズ、ガラクタ、ポケ◯ンカード、あらゆる草花の種、なぜだか道端に落ちているボタン、、、などなど。 すぐポケットにつっこんで家に帰る。洗濯機にそのまま放り込んで、カラカラカラカラ。 わたしには妹がいるが、母は迷うことなく真っ直ぐにわたしの元へ向かって叱るのだった。 こと、この小さい島で暮らし始めてからというもの、石、貝殻、シーグ

          幻想回想記 #03(完)

          そんなこんなで、その集まりを抜けたあたりから少しまた今後の展望を考えるようになる。 この辺りで20〜22歳くらい。 性自認に対してモヤ……っとし始めてからだと7年くらい経ってる。 カウンセリングにもまだ通っていて、同じ悩みのある人たちに会ったことや感じたことを話したりした。 その中でわたしは 戸籍の変更までせずとも、自分の好きな格好をして、好きな髪型をして生きていくということで、ある程度落ち着いていられるのではないかという答えを得た。ホルモン注射によっての副作用や手術の成

          幻想回想記 #03(完)

          幻想回想記 #02

          サクッとまとめておこうと思ったのに、まさかの長編になってしまった。。。 引き続きあんな感じですが、先が気になるっていうか好事家の方はどうぞ(ありがとうございます) 自分は1人ではないと知ってコミュニティを探し、ナベシャツをゲットしてなんだか少し自信のついたわたしは、ついに実際に当事者の方々のオフ会なるものに参加する。 場所は繁華街の居酒屋で、わたし以外はみんな成人していた。事前に未成年であることは伝えていたのでソフトドリンクを飲みながら(残念ながらそれは今も変わらなかっ

          幻想回想記 #02

          幻想回想記 #01

          この話をするとき、自らカテゴライズされにいってるみたいで矛盾してるなと思うのと、 わたしという人間を知ってもらう際、“そういう人”と思われてしまうのが嫌なので、本当はあまり話したくはない。 やはりまだ少し抵抗があるのかな、とも思うけれど、どうやって今のわたしの状態に漕ぎつけたのか、ということを考えたときにこの話は避けられないと思うので、ここに初めて残してみようと思う。書き終えたら自分の中で一つの章が終えられる気がする。 もしもわたしに似通った人がこれを読もうとしているのなら

          幻想回想記 #01

          徒然 #08

          人はあまりにも寂しいと、その穴埋めを他人に求めたりする、そしてそこに遠距離になっていた本命がいた場合、もう言い訳ができず、 拗れて絡んで憎悪に塗れた惨憺たる悲劇をうむ……… そういう気持ちが少し理解できたようなこのひと月 特に冒頭にかいた、こういう類いの小説やドラマなんかはなんかは、その人間の心の動きがまったく理解できなくて、 なんで? 待ってりゃいいじゃんたまに電話しながら と、本気で思っていたのだよな。 今まで近くにいた人の物理的に離れて行くこと、それはこの国の教

          徒然 #07

          わたしは、話すよりも書くことで感情の整理をする。 それには理由がある。 自分が話す時は頭の中がずっとうるさくて、次から次から言葉が出てきて考えるまもなく口から出ていく。思考が勝手にあちらこちらで幅跳びと高跳びを繰り返す。 次第に自分が何を話しているのかわからなくなって、何を言いたかったのかを完全に見失う。 厄介なのは、それを全てわかっていること。 口では思いつきをツラツラと垂れ流しながら頭の中で“今一体何を話してるんだろう”と思っていることがほとんどだから。 わかってい

          徒然 #06

          『お酒とタバコは20歳から』 お酒に全くと言っていいほど耐性のないわたしは、お酒は関係ないなぁと昔から思っていた。 飲めそうな見た目というだけでお酒を斡旋されることも多く、ウーロン茶をウーロンハイだといって乗り切ったこともある。 そもそも両親ともお酒を嗜む人ではなく(特別な日に少し、という感じ)、家にお酒があるということがない家だった。 なので、お酒自体、馴染みがないものでもあったな。 タバコについては、父がヘビースモーカーだったので常に家にあるものという認識。 当時はこ

          徒然 #05

          『噯にもださないことは、愛なのか』 わたしは思いついたことや考えたいことの見出しをメモにとる。 その中の一つがこれ。 噯(おくび)、とはゲップのことだそう。 生理現象のゲップさえ我慢してしまう、から転じて、自分の考えや感情を他人に知られないように、内心に秘めて表に出さないことを表す言葉として遣われる。 〜以下引用〜 この表現は、自分の本心を隠すことで、他人との関係を円滑に保つためや、自己保身のために用いられることが多い。また、自分の意見や感情を抑えて他人に合わせる

          徒然 #04

          ラストシーンで 『死んだあと、最後に思い出すものは何か』 みたいな会話が出てくる、わたしのお気に入りの映画。 (とはいえめちゃめちゃ暗くてジメジメの梅雨みたいな映画なんだけど) わたしは人生の最期が来た時、一体何を思うのかということに興味がある。 記憶と結びつきやすいものとしてわたしが思うのは、匂いと、音だ。 生きている今ですら、匂いや音の記憶がとても色濃いということを実感することが多い。 人の家の匂い、好きな給食の匂い、実習室の匂い、知らない街の匂い、柔軟剤の匂