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短編小説

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いつかの記憶が消えてしまっても その頃の自分の物語がある といいなと思っています
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2022年10月の記事一覧

狙い通り【短編小説】

狙い通り【短編小説】

ここは、お気に入りの公園。
暑くもなく、寒くもなく、
今日は、天気がいい。

人間たちのいう、お昼の時間という時が、俺たちが1番忙しい時間だ。

その時間になると、かなり頭を使う必要がある。

まずは、うまそうなエサ探しだ。
俺の好みは、薄茶色の柔らかくて内臓が甘いエサだ。
今日は、小さな子供が持っているぞ。

次にタイミングだ。
人間が、片手で持っていて、よそを向いている時がチャンスだ。
この時

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秋のプール【短編小説】

地面には、どんぐりが落ちていた。

彼は、シーズンが終わった、プールをフェンス越しに、眺めていた。

今年の夏は、夏らしかったな。

8月。高校2年の彼は、初めてできた彼女と、プールへ行った。
あの頃は、楽しかった。
あの頃といっても、ほんの数ヶ月前のことだが。

プールでは、定番の流れるプールに、ウォータースライダーとかを彼女と一緒に回った。
あとは、ポテトとかを一緒に食べた。
プールのポテトほ

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実に幸せ【短編小説】

清子、あんたは、明日から平谷の家に行くんだよ。

清子は、3日前に16の誕生日を、迎えたばかりだった。
清子は、大川家の10人兄弟の次女だ。姉と兄が1人と妹4人、弟3人だ。

次の日、荷物というものは持たずに家を後にした。
平谷の家は、大阪にある。
鉄道があったが、乗らずに歩いて向かった。
歩くにしては、かなりの距離がある。

夕方と夜の間頃、ようやく平谷の家に着いた。

それから、おばあちゃんは

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おじいちゃんと僕【短編小説】

おじいちゃんと僕【短編小説】

僕は、おじいちゃんに聞いてみた。
「木って生きているの?」

おじいちゃんは言った。
「ああ、もちろん生きているとも」

僕は言った
「でも木って動かないよ」

おじいちゃんは言った。
「そうだなぁ、たしかに木は動いてないように見える。でも木は動いているんだよ。」

僕は言った。
「どこが動いているの?」

おじいちゃんは言った。
「健斗はどこだと思うかい?」

僕は言った。
「葉っぱなら動くね。

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昼食【短編小説】

さてとお腹が空いたわ。
そろそろ昼食の時間だしどこかに食べに行こうかしら。

彼女は、昼食を食べに出かけることにした。
彼女は、その日の気分で食事の場所を決める。
よし、今日はここにしましょう。

どれにしようかしら
あれも美味しそうだけど、こっちの方が美味しそうね。これにしましょう。

彼女は、尖った口を出し赤い液体を吸い始める。
今日のは、味が濃ゆくて美味しかったわ。
さてとそろそろ帰りましょ

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