自分より優秀なメンバーはどう育てる?/しくじりマネジメント
仕事を渡せば、自分なりに目的をおいて、周囲を巻き込み、自律的に業務を遂行する。そんな優秀な部下(以下:メンバー)っていますよね(羨ましい限りですが・・・笑)
ではそんな自分よりも優秀なメンバーは放置していても、勝手に育つのでしょうか?
答えはNOです。
もちろん、自分なりに考え、勝手に学びを積み重ねてくれると思いますが、成長スピードは高まりません。
今日はそんな優秀なメンバーに対して、どんなマネジメントをすると良いのか、僕の経験を書きたいと思います。
メンバーの知識に追いつこうとした“しくじり”
営業畑で育った僕がマーケティング系の企画スタッフ部門のマネジメントをしていた際、非常に勉強熱心なメンバーと一緒に働かせてもらったことがあります。組織としては、まだまだマーケティング戦略が確立していないその時期に、そのメンバーはどんどん市場の新しい知識・技術を学び、新たな取り組みを提案してくれました。関係性が悪かったわけではありませんが、正直そのメンバーと会話するのは毎回緊張していました。なぜなら、圧倒的に知識量が多く、僕には分からないことがたくさんあったからです。
こんな状態ではダメだと思い、僕も頑張って本を読み、勉強しました。そして、にわか知識でそのメンバーと会話しようと頑張ったのです。
ですが、全然関係性が良くはならないし、会話がかみ合っている感じがしません。どこかフワフワした会話で終わってしまいます。また、そのメンバーもモチベーションがどんどん落ちていることが分かりました。そして、そのメンバーにとって、充実感も成長感もない半年を過ごさせてしまいました。
もちろん、僕自身も全く介在価値を感じることもなく、過ぎ去ってしまった半年間を後悔しても後悔しきれない悔しい半期になってしまったのです。
このメンバーへのマネジメントは何がダメだったのでしょうか。
その答えは「メンバーより豊富な知識をもつことに躍起になってしまったこと」だと振り返っています。
教えることがマネジメントではない
業務知識がないとマネジメントはできないのでしょうか。
もちろん、そんなことはないはずです。
ただし、あまりに業務知識が足りない場合、努力することは当然必要です。マネジャーだって勉強しないといけません。いや、メンバー以上に勉強することは必須です。最低限の知識はないと正しい意思決定ができないことはあると思います。
ですが、マネジャーの仕事は知識を教えることではありません。
とくに優秀なメンバーにやるべきことは「新たな機会を与えたり、チャレンジできる環境を整えること」です。これができるための最低限の業務知識を勉強したり、足りない情報をインプットをしていれば、それ以上の勉強は必ずしも必要なわけではありません。
優秀なメンバーをマネジメントするには知識で打ち勝とうとすることには意味がないことを肝に銘じておきましょう。
有意義な1on1にするためのポイント
では、そんなメンバーとの1on1ではどんな会話をすると良いでしょうか。
“相談”に対してはちゃんと答えましょう。当たり前ですね笑
説明を果たすことは上司の務めですので当然です。
とはいっても、知識はメンバーの方が豊富だと、その場で回答できないこともほとんどです。そこは「調べておくね」「確認しておくね」と持ち帰るのか、「誰に聞けばよいか」「誰に確認するのが良いか」を回答してあげれば良いと思います。
そうは言うものの、優秀なメンバーって、あまり相談してこないですよね。ほとんどが“報告”です。その際、「そっか~」とか「なるほどね」で終わってしまっては、会話をする意味がありません。
でも、そのメンバー以上のアイデア・知識を出すのはほとんど不可能です。じゃあ、どうすると良いかと言うと、「意図を確認すること」を徹底することがポイントです。
優秀なメンバーも一人で何でもかんでもできるわけではありません。意図を問われることで自分で頭を整理したり、考えをシャープにしていくことができます。それだけでも、優秀なメンバーにとっては十分に価値があることだったりします。
また、意図・背景を確認することでそのメンバーの良いところやすごいところが発見できることも多くあります。いわゆるメンバーの強みですね。これも優秀なメンバーでも自分のことを自分だけで理解するのは難しいことです。褒めポイントはストレートに「ここがすごいね」と伝えてあげましょう。
自分よりも優秀なメンバーだとしても、無理やり介在価値を出そうとするのではなく、メンバーの仕事に興味をもち、対話をすることをぜひ試してみてください。
フィードバック(注意)する際のポイント
一方で優秀なメンバーだって、仕事でミスをしたり、ミスではないけど仕事の進め方が悪いな。と思うこともあると思います。その際に気を付けたいのは「思い付きでフィードバックをしないこと」です。
何か気づきを与えたい。上司として言ってあげなきゃ。という責任感が強いほど、注意が必要です。大体、思い付きで言ったことはうまくいきません。
「もう少し周囲のメンバーの巻き込み方を考えたほうが良いと思うよ」と良かれと思って伝えても、「もっと意識を高めてもらわないと困るので、あえてそうしました」と言い訳されて躱されたり、「周囲の受け止め方は常に気にしているつもりですけど」と言われて刺さらなかったり。
何となくフィードバックすることなく、“事実”をきちんと伝えることが必要です。ポジティブなフィードバック(褒めるとき)は気持ちを込めて伝えるのが良いですが、ネガティブなフィードバック(注意する時)は論理的に伝える必要があります。
ちょっと気になるなと思うことがあっても思い付きで伝えず、相手が納得できるような事実をしっかり集めたうえで伝えるように心がけましょう。
終わりに・・・
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