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お前はどうしたいの?はもう古い。きっかけを与えるマネジメント/マネアカ⑳

メンバーの自律を促したい。
だからこそ、「お前はどうしたいの?」という質問を投げかける。

そんなことはありませんか?

僕が所属している会社は伝統のように「お前はどうしたいの?」という質問を投げかけるのですが、もうそれは古いと思っています。
※「お前」という表現はハラスメントになりかねませんので実際にはしません。

もちろん、メンバーによって、場面によって、これが有効なこともあるかと思います。
ですが、「どうしたいの?」と言われても、戸惑う新人・若手が増えていますし、自分なりに考えさせて、やらせてみることが必ずしも成長に繋がることはなくなってきたように思うのです。

では、まず始めに、なぜ「お前はどうしたい?」に答えられない新人・若手が増えているか、僕なりの考察をお伝えしたいと思います。

私はこうしたいです!が言えないのは世代の特徴

最近の若者はZ世代とも言われますが、生まれたころからインターネットが普及しており、ある程度、大きくなってからはすでにスマホが流通している時代でした。
様々なSNSにも昔から触れてきた世代です。

そのため、放っておいても情報が入ってくるし、分からないことがあれば、ググるとそれっぽい答えが出てくることが当たり前の世代です。

そのため、答えを探すということに慣れています。一方で、仕事というもののほとんどは正解がないものですから、自分なりにどうしたら良いか、どうしたいか、と言われても、答えを出すことができないんですね。

考えていないわけでもないし、不真面目なわけでもなく、どう考えたらよいのかが分からないという特徴があるのだと思います。

もちろん、これは個人差は大きくあります。最近の若手がみんなこの特徴があるわけではありません。あくまで世代的な特徴です。
ただ、こういう経験のもと、生きてきた人が増えている事実は、まず後輩育成を担う方は認識しておく必要があります。

自分で考え、やらせることは成長に繋がらない?

そうは言っても、自分で考えさせて、やらせて、修羅場体験をさせること。それが成長につながるんだ!

そんな風に考える方もいらっしゃるかと思います。

ですが、それも古いと思います。

修羅場体験というのは、大きな壁を乗り越えて、そのプロセスを内省し振り返った時に、いつの間にか成長している自分に気づき、自覚化する。
このプロセスを経るからこそ、成長に繋がるのだと思います。

ですが、乗り越えられなければ、「自分は向いていない」「自信がない」「もう無理・・・」といった、悪影響になりかねません。

乗り越えたとしても、こんな苦しい思いをするくらいなら、そこまで頑張らなくても良い。と思うかもしれません。

乗り越えたものの、結果が出なければ、無駄だった。という捉え方になってしまうかもしれません。

  • 修羅場を自分なりにやりきって乗り越えられる

  • やりきったことが結果に繋がる

  • そのプロセスを後から振り返って、意味づけができる

  • 意味づけたものをポジティブに捉えられる

等、様々な条件がそろえば、成長に繋がりますが、どこか歯車がずれてしまえば、逆の効果にもなるのです。

そんな博打をわざわざ確証なく、うつ必要はありません。

個人的には本人の意思に反して、自分で考え、やらせてみるのは、
・マネジャーとして、任せたい意思
最後まで見守りサポートする覚悟
・乗り越えてくれる根拠
をもてるとき、どうしたいかを問い、自分で考えさせることをしています。

つまり、何が言いたいのかというと、「お前はどうしたいの?」というのは、決して安易に使っていい言葉ではないと思っているのです。

選択させるマネジメント

どうしたいのかと問うても、答えは出てこない・・・。
修羅場体験をさせることも、成長に繋がらない・・・。
かといって、答えを教えていては成長できない・・・。

八方ふさがりのように思うかもしれませんが、個人的にお勧めなのは、「選択肢を与える」ことです。

例えば、
「AとBが考えられると思うけど、●●さんはどっちの方が良いと思う?」と問いかけ、それって何でそう思ったの?ということを聴いていくのです。

そうすると、
「●●という理由でBの方が良いかと思いました」
そんな発言があります。

「じゃあ、●●ということを大事にしたい。ここが重要と捉えているということだね。だとしたら、他にも選択肢ってあり得るかな?」

「確かにCとかDとかって、方法もあるかもしれません」

「じゃあ、自分なりに考えてみなよ!」

簡単に書いていますが、イメージはこんな感じです。

選択肢を与えるとは、考えるためのきっかけを与えることなのです。

昨今の若手が意思がないわけではありません。

意思の出し方が分からない。
意思の作り方が分からない。というだけだったりします。

マネジメントは機会きっかけを作る仕事です。

考え方の初めのきっかけを与え、コツをつかむと実はすごく創造的に物事を考えることが得意だったり、チャレンジングに取り組むことが好きだったり、思った以上の行動にうつるメンバーもたくさんいます。

僕はそんな若手たちをたくさん見てきました。

「お前はどうしたいの?」という投げかけをやめて、一緒に考えたり、考えるきっかけを与え、発揮する機会をつくり、これからの時代を担う若手メンバーの成長を支援していきましょう。

最後に僕の大好きな五十六さんの言葉を載せておきます。
かなり昔ですが、現代の若手マネジメントに求めらえることを非常によく表していると思います。

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仮谷泰祐|働くを愉しく
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