マガジンのカバー画像

わたしの本棚

159
本棚にある本を紹介しています。
運営しているクリエイター

2021年3月の記事一覧

わたしの本棚98夜~「なんで家族を続けるの?」

わたしの本棚98夜~「なんで家族を続けるの?」

 面白かったです。樹木希林と内田裕也の娘として、家族団らんを知らずに育った内田也哉子。両親の不和で、巨大なブラックホールを抱えて思春期を過ごした中野信子。両親が仲良く、子どもがふたりぐらいいる、というのを理想の家族とする日本の、家族の模範形態。異議あり。いろんな家族のあり方を問う、多様な家族形態のなかでの幸せの追求、自身の家族をセキララに語るふたりの対談集です。

☆「なんで家族をつづけるの?」内

もっとみる
わたしの本棚97夜~「作家と猫」

わたしの本棚97夜~「作家と猫」

 とにかく可愛い。表紙は中島らも家の猫「とらちゃん」だそうです。佐野洋子さんから平岩米吉さんまで、猫好きな50人の文化人の方のエッセイ、漫画、詩などを載せています。癒されます。基本的に猫好きな人の文章なので、猫がそばにいるように感じで、ふふふと笑ってしまったり、そうだよね、と共感したり、驚いたり。

☆「作家と猫」平凡社 1900円+税

 猫派か犬派かと問われると犬派だと思っていましたが、年を重

もっとみる
わたしの本棚96夜~「ナイルパーチの女子会」

わたしの本棚96夜~「ナイルパーチの女子会」

 ママ友さんから薦められて読みましたが、わたしには熱量の大きい本でした。読みやすい文章で、スラスラと一気に読めますが、女性同士の悪口を言うのを聞いている感覚もあって、読んでる最中は、少々疲れてしまいました。それでもラストは希望ともとれ、ちょっとほっこりでした。

 水川あさみ主演でテレビ東京でドラマ化もされて、放映中とのこと。今月は、岨手監督「あのこは貴族」も観ました。どちらも、女性の友人、分断、

もっとみる
わたしの本棚95夜~「ほめるのをやめよう」

わたしの本棚95夜~「ほめるのをやめよう」

 読書の秋2020で、日経BP社さんから副賞に図書カードを頂いたので、課題図書を読んでみようと思いました。三―三―さんの感想文が面白くて、上手く表現されており、本を楽しみに読みました。

☆「ほめるのをやめよう」岸見一郎著 日経BP社 1600円+税

 優しい語り口で書かれていますが、実践するのは難しいなあ、と思いました。ほめるのをやめよう、叱るのをやめよう、部下を勇気づけよう・・。

根底にあ

もっとみる
わたしの本棚94夜~「満月珈琲店の星詠み」

わたしの本棚94夜~「満月珈琲店の星詠み」

 「読書の秋2020」で気になっていた課題図書です。京阪沿線沿いと京都市街が小説の舞台になっており、わたしの生活圏であることもあって、手にとりました。2000年代に流行ったケータイ小説を思わせるような、改行が多く、WEBのような、さくさくと読める文章でした。

   画像はApple bookさんのを借りました。 

 あとがきを読むと、SNS世代ならではの小説。占星術好きな作者がSNSで西洋占星

もっとみる
わたしの本棚93夜~「身分帳」

わたしの本棚93夜~「身分帳」

 西川美和監督の映画「すばらしき世界」の原作です。友人が読んで、面白かったけれど映画と違うよ、と聞いてました。偶然、FBで友人の友人からも薦めていただき、映画がよかったので、文庫本で読んでみることにしました。

 復刊版は、全帯に「すばらしき世界」と印字され、役所広司が表紙です。はずすと本来のカバーになります。ぴったりと二枚になっていました。        解説は初版当時の秋山駿氏と復刊にあたって

もっとみる