わたしの本棚94夜~「満月珈琲店の星詠み」
「読書の秋2020」で気になっていた課題図書です。京阪沿線沿いと京都市街が小説の舞台になっており、わたしの生活圏であることもあって、手にとりました。2000年代に流行ったケータイ小説を思わせるような、改行が多く、WEBのような、さくさくと読める文章でした。
画像はApple bookさんのを借りました。
あとがきを読むと、SNS世代ならではの小説。占星術好きな作者がSNSで西洋占星術の情報記事を読むようになり、SNSで桜田千尋さんのイラストのファンになり、WEBの小説大賞を受賞したこともあり、占星術をモチーフにイラストから物語を紡いだそうです。イラストが猫とスイーツと天体と・・女の子が大好きな可愛い系であり、読んだあと、カラーのイラストにも癒されほっこりとしてしまう小説でした。
☆満月珈琲店の星詠み 望月麻衣著 桜田千尋画 文春文庫 670円+税
満月の夜にだけ現れる満月珈琲店。猫のマスターと店員が客に合わせて、素敵なスイーツやドリンクでもてなしてくれます。三つの話からなり、登場人物は交錯しています。売れなくなったシナリオ・ライターの話。不倫未遂のデイレクターの話。恋するIT起業家の話。
猫のマスターは、訪問客の星の動きを詠みます。本格的な占星術は奥が深く、マスターの言葉を借りると、すべての事象は自分が招くそうです。わたしも新聞や雑誌の占いは読みますが、案外、当たっていることもあり、占星術はあながち出鱈目ではないと思っています。今日のラッキーカラーがピンクだと知らされると、ピンクのものをこっそり持ってしまいます。マスターは、客の星を詠んで生き方を気づかせ、満月珈琲店は料理で癒してくれ、訪問した客は元気をもらって帰ります。・・・・雑誌感覚で読め、女の子なら大概の方が好きなイラストや小道具がちりばめられている小説でした。
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