エッセイ【お立ち寄り時間1分】雨の日には冷えたスプーンを―推し活に魅せられて―
最近、推し活を始めた。
その推しとは、ずばり『発酵食品』である。
寒さも深まり、手足が冷えるようになった。もう数年前から、腹巻は一年中つけているのだが、それでも夕方になると指先が冷える。そこで、始めたのが『発酵食品づくり』だ。
特に『米麴甘酒』にハマっている。
『甘酒』なんてお正月とひな祭りぐらいかな…という人も多いかもしれないが、飲む点滴と言われており、美容や健康にも良いそうだ。数年ほど悩み抜いてお迎えした『ヨーグルトメーカー』でせっせと週に1度から2度こしらえる。そのままお湯で割って飲んでもよし、豆乳でもよし、なんならヨーグルトにかけても素敵だ。(乳酸菌も作ってます)
『米麹甘酒』だけに飽き足らず、塩麹、醤油麹、低温調理(麹を使った鶏ハムやローストビーフ)と『発酵食品づくり』は、留まるところを知らない。
作り方は至ってシンプルで、付属のレシピ通りに食材を混ぜ、温度と時間を設定し、あとはほったらかしておくだけ。夜、寝る前に食材をセットし、ぐっすりgoodnaightしたら、翌朝には、出来立ての甘酒とgoodmorningだ。
温活の効果は、まだ始めたばかりで如何ほど?と言ったところだが、兎にも角にも楽しいので、最悪、温まらずとも結果オーライだ。
前述した塩麴や醬油麴も実に奥深い。
塩や醤油の代わりに使用しているのだが、少量で味が決まる。本当に、びっくりするぐらい。また、お肉もサッと漬けておくだけで、ホロホロに柔らかくなり、魔法かしらと思うくらい、芳醇な香りが口いっぱいに広がる。
麹の代表格と言えば、『味噌』も忘れてはいけない。
こちらも、数年前に職場の方に誘われて、作り始めた。初めて、自分で仕込んで食べた時の感動は忘れられない。味噌って、こんなに甘いのね…と味噌つきの人差し指を舐めながら茫然と立ち尽くした。こりゃあ、手前味噌になるのも納得だった。
麹菌は、本当に国菌だった。
確かに、戦国時代は、戦の勝敗は味噌にありとも聞くし、タンパク質、糖質、脂質に加えてミネラルやビタミンも豊富に含まれているという。
戦の世から現在に至るまで、日本人を支えてきた麹菌。影の立役者みたいで、ちょっとロマンを感じる。
海外に住んでいた頃、寮のキッチンで味噌汁を作っていたら、これ『味噌』でしょ!?と陽気に声をかけられた。日本食の浸透率の高さには、驚きの連続だった。ただ、実際に味噌を食べてくれたのは、たった一人だったけど。(色がダメだった…)
『味噌は医者いらず』ということわざがあるように、私たちの身体は、全て口にするもので出来ている。医食同源ではないけれど、日頃から『食』で少しずつ予防できるなら、なるべく心がけていきたい。
非常に熱く語ってしまったけれど、つまるところ『楽しい』健康づくりの時間は、なかなか幸せだ。そんな幸せのお裾分け、この年末年始に是非とも『発酵食品づくり』いかがでしょう?
暴飲暴食後の手作り甘酒は、きっと五臓六腑に染みわたります。
あ、そうそう。
塩麹と甘酒は、見た目が双子ちゃんなので、お気をつけくださいませ。間違えるとなかなかお口がファンキーでファニーになります。(体験済み)