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揺禅至柔気功 その6  「流柳」で胸を開く練習

1.右足を前に出した基本形で立つ。

右足を右30度開いて、前に出す

2.その状態で、腕を前後に振りながら「丹田振り」(至柔気功その5参照)を数回繰り返す。腕(掌)は捻ってっています。腕を前にときはに行くときは手の甲を前に、後ろに振るときは手の甲を後ろに向ける。

 回数は、自分のレベルと時間とを考えながら決めます。下手なときほど、たくさんする方が良いでしょう。上達すれば、3回ほどで丹田のきを確認できます。

丹田振りに手を同調させる

  丹田の揺れに、腕を同調させるのであって、決して腕を振って丹田を動
 かす意識を持ってはいけません。太極拳は、丹田の動きが最初にあってそ
 れが腕に伝わってパワーになるからです。
  このときの注意として「膝の先が足の甲の半ばあたりまでで『丹田振
 り』をしないといけない」と先崎先生は、おっしゃっていました。「最高
 でも、足先を超えてはならない」とも、言っておられました(初心者農地は、上から覗き込んで確認しましょう)。

3.丹田の動きが確認できたら、いよいよ「流柳」を初めます。
 体重が後ろ足にかかり腕を後ろに引いたとき、やや腰をかがめめる。体重は左足にほとんどかかけます。限界まで来たら、手の甲を後ろ向きから前向きに捻ります。

丹田振りから前屈みへ 手の甲を広後ろ向きから前向きへ

4.腕を捻りながら(手の甲を前のまま)腕を前に振り戻します。体重は徐々に右足に移していきます。おヘソか胸あたりまで上がったとき両手を重ねます。そのまま腕を前から上に振り続けて限界まで上げていきます。体重は、再び左足に戻ってきます。

腕を捻りなが前に、体重は右足へ
胸前で掌を重ねる
限界まで腕を振っていく。体重は左足に戻る

5.限界まで来たら、手を横に広ろげ、胸前(実際は肋骨が開き肩甲骨の
 間が狭まっている)を開いていきます。腕は限界まで広げます。体重は、ほとんど左足にかかっています。顔は最初上を向いていていますが、最後は首を反らします。
 このとき絶対にしてはいけないのが、腰を反らす(腰を曲げる)すことです。背中を反らしていますが腰は反らしません。

腕を広げる。のち、ゆっくり頭も反らす。腰は反らすが、曲げない。

4.次に、左足を前に出して基本形になり、左の「流柳」を行います。やり方は、右足前と同じです。

 「流柳」も秘伝(武術全般に言える)だと思います。肋骨を自由自在に広げたり回したり、左右や前後に別々に動かせたりすることが、小さな動きとパワーで相手を崩せることにつながっているのです。肩甲骨の間が柔らかいと言うか、自由自在に広げたり縮めたりできることも秘伝だと思います。

 つまり、太極拳で強く(うまく)なりたければ、肩甲骨の間を鍛えていかないといけないのです。つまり、今説明している至柔気功を極めることが太極拳を極めることになります。
 型は、その秘伝を有効に使う方法を示しているだけです。そして、有効に使う方法の考え方によって、太極拳の流派が分かれていると考えればいいでしょう。

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やまと たける
本好きです。本を買います。余暇のための本ではなく、勉強のための本を買います。よろしくお願いします。